文部科学省は、学校安全を推進するための地域等との連携や組織体制のあり方などについて2025年3月3日、「審議のまとめ」を公表した。学校安全を学校経営方針の柱に位置付け、中核を担う教職員および校内組織体制を強化する。
学校の努力だけでは防止できない自然災害、不審者侵入事件、弾道ミサイル発射などの国民保護に関する事案が顕著化する中、実効的・持続的な学校安全の取組みを組織的に推進する必要が求められている。
文部科学省では「学校安全の推進に関する有識者会議」を設置し、これまで複雑化・多様化する学校安全に関する課題について議論。地域や関係機関等との連携・教職員および校内組織体制について検討し、今回、校内の組織体制を強化する方針などを盛り込んだ「審議のまとめ」を公表した。
まず実効的かつ継続的なものとする観点から、学校安全を学校経営方針の柱として位置付け。中核を担う教職員および校内組織体制の整備・充実を図る。中核を担う教職員には中堅層の教師をあて適切な処遇などについて検討するほか、各教職員に求められる役割・資質能力を整理する方針。その際、教師の負担軽減のために地域の多様な関係者等と効果的な連携を図る。
連携体制については、コミュニティ・スクールや地域学校協働活動の仕組みを最大限活用する。また「学校安全計画」「危機管理マニュアル」を学校運営協議会等の場で共有し協議するほか、自治体の防災・安全担当部局や警察・消防等も交えた取組みと、セーフティプロモーションスクールの考え方を取り入れた学校安全を推進する。
各教職員はできるだけ速やかに必要な資質能力を習得したり、学校安全の諸課題への対応能力を身に付けられるようにする必要があることから、教職員向けの研修はオンライン・オンデマンド形式や実習・演習形式を適切に組み合わせて実施。教職員の負担を軽減しつつ、効率的・効果的に学べる体制を整える意向を示している。
「審議まとめ」は、文部科学省のWebサイトに全文を公開している。