高知県教育委員会は、2025年度に採用する公立学校教員の採用候補者選考審査について、大学3回生が受審できる新たな制度を導入することを発表した。さらに、年齢制限を61歳に緩和し、社会人特例出願の対応教科を拡大するなど、採用制度に大きな変更を加える。これにより、多様な人材の確保を目指す。
今回の変更の背景には、教員不足の問題がある。特に、若手教員の確保が急務となっており、大学3回生を対象とした受審制度を新設することで、早期に優秀な人材を確保する狙いがある。大学3回生は、早期名簿登載型選考審査と事前認定選考審査の2タイプから選択できる。早期名簿登載型では、1次審査と2次審査を受け、合格すれば2027年度の教員採用候補者名簿に登載される。事前認定選考審査では、1次審査のみ受け、合格すれば2026年度の1次審査が免除される。
第2希望出願枠の拡大も注目される。これまで高等学校教諭の一部教科でのみ行われていた中学校教諭への第2希望出願が、全教科に拡大される。また、中学校教諭から高等学校教諭への第2希望出願も可能となる。これにより、教員のキャリアパスの選択肢が広がる。
社会人特例出願の対応教科も拡大される。教員免許を持たないが、企業経験などの専門性を持つ社会人が受審できる教科が増えた。新たに追加された教科には、情報、工業(機械、電気・電子、化学、建築、土木)、福祉、水産(機関、航海)が含まれる。これにより、専門性を持つ社会人の参入が期待される。
年齢制限の緩和も行われ、定年引き上げに伴い、受審可能な年齢が60歳から61歳に変更される。これにより、経験豊富な人材の活用が可能となる。
なお、詳細な募集要項は2025年3月上旬に発表される予定であり、教職員・福利課のWebサイトで公開される。高知県の教員採用制度の変更は、多様な人材を受け入れるための重要なステップとなる。教育現場における人材の多様性が、子供たちの学びを豊かにすることが期待される。