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学校体育館の空調整備、95%目標へ…文科相12/10会見

 2024年12月10日、文部科学省で行われた記者会見において、あべ文部科学大臣は、学校体育館の空調整備促進や大学入学共通テストの出願者数増加について説明した。学校体育館の空調整備は、災害時の避難機能強化を目的に、2035年度までに95%の整備を目指す。一方、大学入学共通テストの出願者数は7年ぶりに増加し、現役生の出願割合も過去最高を記録した。

教育行政 文部科学省
あべ俊子文部科学大臣記者会見(2024年12月10日)
  • あべ俊子文部科学大臣記者会見(2024年12月10日)

 2024年12月10日、文部科学省で行われた記者会見において、あべ文部科学大臣は、学校体育館の空調整備促進や大学入学共通テストの出願者数増加について説明した。学校体育館の空調整備は、災害時の避難機能強化を目的に、2035年度までに95%の整備を目指す。一方、大学入学共通テストの出願者数は7年ぶりに増加し、現役生の出願割合も過去最高を記録した。

 学校体育館の空調整備については、猛暑の深刻化を背景に、日常の児童生徒の安全確保のため、整備を急ぐべきとの声があがっている。これに対し、あべ大臣は、2020年12月に決定された「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」に基づき、2035年度までに公立小中学校の体育館の空調設置率を95%にする目標を掲げていると説明した。2023年9月1日時点での空調設置率は18.9%で、年間平均進捗率は約3.4%にとどまっている。この状況を受け、2024年度補正予算では、避難所となる全国の学校体育館の空調設備加速化のため、779億円を計上し、新たに臨時の特例交付金を設ける予定だ。これにより、進捗ペースの倍増を目指し、目標達成に近づけたいと述べた。

 また、大学入学共通テストの出願者数については、2024年度の志願者数が昨年比で3,257人増の49万5,171人となり、7年ぶりの増加となった。増加の要因として、2024年度の高等学校卒業見込み者、いわゆる現役生が昨年度と比べて9,772人増加していることがあげられる。文部科学省は、受験生が混乱せずに受験できるよう、大学入試センターをはじめとした関係各所と緊密に連絡を取り合い、必要な準備を進める方針である。

 さらに、女子研究者の活躍支援についても言及された。12月8日に行われた高校生の科学コンテスト「JSEC2024」の表彰式では、上位の作品がすべて女子生徒による研究であった。日本の女子研究者の割合が低下している中、文部科学省は、女子生徒の理系進路選択を後押しすることが、科学技術イノベーションの推進に多様な視点と発想を取り入れる観点から重要であると考えている。このため、ロールモデルとの交流機会の提供や出前講座の実施、保護者や教員への働きかけ支援などを通じて、理工系分野での女性の活躍を促進する環境の実現に取り組む方針を示した。

 あべ大臣は、これらの取組みを通じて、教育環境の改善と科学技術分野での多様性の向上を目指す考えを示した。

《佐藤愛》

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