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こども家庭庁、補正予算案4,335億円…保育士の人件費引上げ

 こども家庭庁は2024年11月29日、閣議決定した2024年度補正予算案を公表した。保育士等の抜本的な処遇改善として、保育士等の人件費の引上げ率を過去最大の10.7%とするなど、前年度の補正予算から大幅増となる4,335億円を計上している。

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令和6年度補正予算案の全体像
  • 令和6年度補正予算案の全体像
  • 保育士等の処遇の抜本的な改善
  • 保育士等の処遇改善の推移
  • ひとり親家庭等への支援の強化
  • 新たに地域の「こどもホスピス」への支援を開始
  • 児童虐待防止に必要な措置を前倒し

 こども家庭庁は2024年11月29日、閣議決定した2024年度補正予算案を公表した。保育士等の抜本的な処遇改善として、保育士等の人件費の引上げ率を過去最大の10.7%とするなど、前年度の補正予算から大幅増となる4,335億円を計上している。

 2024年度補正予算案は、11月29日に閣議決定した。こども家庭庁は、前年度の補正予算額の2倍以上となる4,335億円を計上した。内訳は、保育士等の抜本的な処遇改善に1,150億円、地域に必要な保育所等の整備に846億円、子供の安全・安心の確保等に812億円、児童虐待・障害児・貧困家庭への支援・対策に335億円など。

 このうち、「保育士等の抜本的な処遇改善」では、保育士等の人件費を過去最大となる前年度比10.7%引き上げ。抜本的な処遇改善を保育士へ着実に届けるため、2025年4月から保育所の人件費等の経営情報をネット上で「見える化」する制度を開始する。

 ひとり親家庭に対しては、実情を踏まえた寄り添う支援を強化。民間企業と協働した就業・定着支援、デジタルを活用した情報共有・相談窓口などのほか、「こども食堂」をサポートする法人を支援。こども食堂は増えているものの、地域差が大きいことから、全国6つのブロックごとに支援法人を決定し、支援法人によるサポートを国が下支えする。

 また、地域の「こどもホスピス」への支援を新たに開始する。生命を脅かす病気を抱える(LTC)子供とその家族の病院と自宅以外の居場所として、家族と一緒に安心して遊び学び、過ごすことができる「こどもホスピス」は、現在まだ国内に数か所程度しかないが、補正予算では地域で「こどもホスピス」を運営する民間団体を自治体が支援するモデル事業を補助し、全国普及を目指す。

 児童虐待防止に関しては、必要な措置を前倒し。「発生予防・早期発見」の面から、こども家庭センターの設置を2026年度末までに全市町村に設置し、機能を強化。「虐待発生時の迅速対応」として、児童相談所の体制を強化し、児童相談所・警察間でリスク情報をリアルタイムに共有。「被虐待児童の自立支援」として、共働き里親の増加に向け企業等を活用したモデル事業で、勤め先の協力や送迎支援など、先駆的な事例の創出などを図る。

 こども家庭庁の2024年度補正予算案は、同庁Webサイトで資料を公開している。

《奥山直美》

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