文部科学省は2024年10月1日、「Global×Innovation人材育成フォーラム」の中間まとめを発表した。留学生モビリティ促進のため、機会の提供、経済的支援、体制・環境整備、機運醸成という4つの視点から具体的内容をまとめている。
「Global×Innovation人材育成フォーラム」は、2033年までに「日本人学生の海外派遣者数を50万人」という目標を達成するための留学促進方策などの論点について、グローバル人材育成に関係するステークホルダーが広く集い意見交換するため、2024年6月に設置。これまで3回にわたる対話の場(フォーラム)での決意の具体的内容を中間まとめとして公表した。
中間まとめは「未来を創造し担う若者たちが世界に羽ばたける留学環境とチャンスを」と題し、「若者の多様な成長を支える留学機会の提供」「経済的支援」「体制・環境整備」「留学の機運醸成」の4項目に内容を整理している。
「若者の多様な成長を支える留学機会の提供」では、中学校や高校などの早い段階から、多様な国際経験の機会に誰もがアクセスできるよう地方公共団体・学校関係者に求めるほか、大学生・大学院生などの留学を後押しするため、国内にいながら国際経験が積める体制の構築を進めるべきとしている。
「経済的支援」については、海外留学のための経済的支援の抜本的な充実、給付型奨学金の大幅拡充などとともに、物価高騰・為替変動により留学を断念することのないよう、国費による奨学金の単価見直しと充実は必須であると指摘。「体制・環境整備」では、大学などで全学生が留学する前提の教育を展開し、留年や休学することなく留学できる環境の実現が急務だとした。
「留学の機運醸成」では、留学経験が評価されるという認知を社会全体で向上させるよう提言。早期から世界の多様性などを体感できる機会として、外国人留学生・外国人教員らと接する機会、姉妹都市との交流機会の活用などを推奨している。
中間まとめの概要や全文は、文部科学省Webサイトで公開している。