岡山大学は2024年9月1日、ベネッセコーポレーションと連携し8月より、長期療養する高校生に対し、教育機会の提供を開始したと発表した。2025年度末までを期限に、全国から希望者または高校を募集し試験的に実施予定。
長期療養を受ける生徒に対する教育支援には多くの課題があり、特に、高校生向けの院内学級がほとんど存在しないことや、同時双方向を原則とするオンライン授業の時間的制約が大きな障壁となってきた。一方、文部科学省は2023年4月、長期の治療を要する高校生が病院や自宅でオンデマンド型の授業を受ける際でも、単位認定が可能となるよう方針を変更。しかし、コンテンツの作成と管理は、担任教師の追加業務となるなど教育現場の労働環境悪化への懸念があったという。
そこで今回、岡山大学はベネッセコーポレーションと連携し、オンライン教育コンテンツを提供し、留年を回避するための教育支援を行うことを決めた。この活動では、ベネッセの多様な教育コンテンツを活用。生徒の体調や治療スケジュールにあわせた学習を可能にし、オンライン講義の受講をもって出席と認定。生徒が留年することなく学業を継続し、卒業できる道を開くとともに、学校教員の負担軽減も実現するとしている。
この取組みは、2025年度末までを期限として試験的に実施。全国から希望する患者、もしくは高校を募集し実施を予定している。参加希望者は岡山大学学術研究院医歯薬学域の長谷井嬢准教授まで問い合わせる。