千葉県教育委員会は2024年3月11日、2023年度「教職員の働き方改革に係る意識等調査」の結果を公表した。多忙感を感じている教職員は前年度比2ポイント減の81%。勤務時間45時間以下の教職員でも76.1%が多忙感を感じており、時間外勤務時間以外の要因があることが示唆された。
同調査は、2018年に第1回調査を開始。9回目となる今回は、2023年12月現在の状況について、県内の公立小学校35校、中学校15校、高等学校15校、特別支援学校5校を抽出し、計70校で実施した。調査対象者は、校長、副校長、教頭、主幹教諭、教諭、養護教諭、栄養教諭、実習助手、講師で、有効回答数は1,984人。
「子供と向き合う時間の確保」ができていると肯定的な回答をした割合は、前年度比3ポイント減の61%。勤務時間を意識している教職員の割合は76%で前年度同率となった。いずれも「学校における働き方改革推進プラン」で定めた2023年度目標100%には届かなかったものの、時間外在校等時間は減少傾向にあった。
管理職を除く教諭等の時間外勤務時間(2023年11月)は、「45時間以下」57.9%、「45時間~80時間以下」34.8%、「80時間以上」7.3%。勤務時間を意識できていない教職員ほど時間外在校等時間が多い傾向にあった。
子供と向き合う時間の確保と時間外在校等時間の関係をみると、時間外在校等時間が少ない教職員の方が子供と向き合う時間が多い傾向にある。また、勤務時間を意識している教職員の方が、子供と向き合う時間を確保できていると回答している割合が多く、時間外在校等時間を縮減に加え、勤務時間を意識することが子供と向き合う時間の確保につながることが示唆された。
業務で「多忙感」を感じている教職員の割合は81%。前年度と比較すると2ポイント減少したものの、近年は横ばい傾向にある。勤務時間が45時間以下の教職員でも76.1%が「多忙感」を感じており、時間外在校等時間が多いこと以外にも要因があると推測できる。また、「多忙感」を感じている割合は、子供と向き合う時間を確保できていない教職員ほど多い傾向にあり、多忙感を解消することが子供と向き合う時間確保にも関連すると考えられる。
さらに、働き方改革を進めていくために必要だと思うことを尋ねた設問では、教諭等と校長が「学校を支援する人材の確保」、副校長・教頭が「県等からの調査や会議等の縮減」と回答した割合がもっとも多く、これらの業務を改善していくことも「多忙感」の軽減につながると分析している。