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能登半島地震、被災児童生徒の就学機会の確保要請…文科省

 文部科学省は2024年1月7日、能登半島地震により被災した児童生徒の就学機会の確保などについて、各教育委員会や学校設置者に対し早急に対応を求める通知を発出した。授業料などの取扱いや修学支援、ICTを活用した学習指導などについて柔軟な対応・支援を要請している。

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令和6年能登半島地震について
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 文部科学省は2024年1月7日、能登半島地震により被災した児童生徒の就学機会の確保などについて、各教育委員会や学校設置者に対し早急に対応を求める通知を発出した。授業料などの取扱いや修学支援、ICTを活用した学習指導などについて柔軟な対応・支援を要請している。

 2024年1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする最大震度7の地震が発生。被害の甚大な石川県のほか、新潟県、富山県、福井県の計35市11町1村に災害救助法が適用されている。

 文部科学省は、冬休み期間の終わりが近づく1月7日付けで、各教育委員会や学校設置者などに向け能登半島地震で被災した児童生徒の就学機会の確保などについての通知を発出。先に発出した被災地域の児童生徒の安全確保などに加え、就学機会の確保などに関する具体的な事項を示し、災害対応の一環として十分な周知と対応を求めた。

 高等学校や特別支援学校および国私立学校における授業料などの取扱いについては、児童生徒などの学資を負担している者が被災し、入学料、授業料、受講料、寄宿舎使用料などの納付が困難な者(被災にともなう転入学者などを含む)に対し、教育委員会が高等学校および特別支援学校の授業料の免除・減額に関する制度などを踏まえて配慮するよう求めた。

 被災により就学援助を必要とする児童生徒などに対しては、その認定および学用品費、学校給食費などの支給について、通常の手続きによることが困難と認められる場合においても、可能な限り速やかに弾力的な対応を行うこととした。

 また、やむを得ず学校に登校できない児童生徒に対し、学習に著しい遅れが生じることがないよう、可能な場合にはICTを活用した学習指導を行うなど、できる限り学びの継続に努めるよう要請。今回の被災によりGIGAスクール端末の故障や紛失、通信環境の途絶など、すべての児童生徒が同様のICT環境に置かれていないことも考えられるが、一部の児童生徒がICTを活用できないことのみをもって全体でICTを活用しないといったことがないよう、ひとりひとりの学習機会の確保を第一義とし、柔軟に対応するよう求めている。

 このほか、高校生などへの修学支援として、高等学校等就学支援金や高校生等奨学給付金などについては状況に応じて申請期間を延長するなど配慮した柔軟な対応を行うこと。被災した児童生徒が在籍する学校においては、当該児童生徒の各学年の課程の修了、卒業の認定などにあたり、進級・進学に不利益が生じないよう配慮すること。心のケアを含む健康相談などの充実を図ること。学校給食調理場が被災している場合は、近隣の学校給食調理場からの配食や簡易給食なども含め、地域の実情に応じて広域的な観点からバックアップ方策を検討することなどを明記。

 被災した児童生徒の心身の安全や心のケアに留意しつつ、就学機会を不当に損なうことのないよう、支援のポイントを伝えている。

《畑山望》

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