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「TOEIC Bridge L&R」中高英語教科書の語彙9割カバー

 国際ビジネスコミュニケーション協会は2023年8月31日、「TOEIC L&R」と「TOEIC Bridge L&R」で使用されている語彙が中・高校の英語教科書でどの程度使用されているか調査した結果を公表した。TOEIC L&Rは約71%、TOEIC Bridge L&Rは約91%カバーしていることがわかった。

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検定教科書とTOEIC L&R、TOEIC Bridge L&Rの語彙カバー率の結果
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 国際ビジネスコミュニケーション協会は2023年8月31日、「TOEIC L&R」と「TOEIC Bridge L&R」で使用されている語彙が中学・高校の英語教科書でどの程度使用されているか調査した結果を公表した。TOEIC L&Rは約71%、TOEIC Bridge L&Rは約91%カバーしていることがわかった。

 調査は、新課程の中高英語教科書で使用されている単語が、TOEIC L&R、TOEIC Bridge L&R、共通テストで出題される単語をどの程度カバーしているかを明らかにすることと、TOEIC L&RおよびTOEIC Bridge L&R に特徴的な語彙を明らかにすることを目的に実施。対象は、2022年度(令和4年度)の新学習指導要領に基づく検定教科書(中学4社、高校2社、高2高3は旧学習指導要領に基づく)、公式TOEIC L&R問題集1~8、TOEIC Bridge L&R各種公式問題集、2021年(令和3年)~2023年(令和5年)の共通テストに掲載されている語彙をデータベース化し、分析に使用した。

 その結果、検定教科書で使用されている語彙がTOEIC L&Rで使用されている語彙のカバー率は約71%、検定教科書で使用されている語彙がTOEIC Bridge L&Rで使用されている語彙のカバー率は約91%であった。カバー率は、レマ換算で算出。レマ換算は辞書の見出しのように屈折を含めた数え方で、たとえば異語数ではplayとplaysは2語であるが、レマでは1語とみなされる。

 分析協力を行った筑波大学の卯城祐司教授は、「今回の調査により、TOEIC L&R、 TOEIC Bridge L&R、共通テストのいずれの受験においても、教科書に登場する基本語彙の習熟が重要であることが示された」とコメント。「TOEIC」と聞くと、「ビジネスパーソン向けのテスト」というイメージが先行し、ビジネス特有の語彙が多いのではと思う人もいるかもしれない。しかし、今回の調査で頻出する語彙の傾向を見み結果、一般的な会話などで用いられる語彙がTOEIC L&R、 TOEIC Bridge L&Rにも多く含まれていることが明らかになった。

 また、今回の調査で使用した中高英語教科書は、教科書によって扱われているトピックがバラバラであるにもかかわらず、英語初中級者を対象にしているTOEIC Bridge L&Rの語彙カバー率は非常に高い値となった。このことから、TOEIC Bridge L&Rは、ビジネスパーソンだけでなく、中高生を含めた幅広い層を受験対象にしていることがわかる。今後、新学習指導要領に基づいて高校2年、高校3年の教科書が改訂されることにより、カバー率はさらに高くなる可能性があると推測している。調査結果の詳細は、国際ビジネスコミュニケーション協会のWebサイトに公開している。

 TOEIC L&R(TOEIC Listening&Reading Test)は、日常生活やグローバルビジネスにおける生きたコミュニケーションに必要な“英語で聞く・読む能力”を測定するテスト。学校においても入試や単位認定などで広く活用され、2022年度の日本における受験者数は約197万人で、1979年のテスト開始以来、累計5,000万人以上が受験している。TOEIC Bridge L&R (TOEIC Bridge Listening&Reading Tests)は、英語学習初級者から中級者を対象として、日常生活における生きたコミュニケーションに必要な“英語で聞く・読む能力”を測定するテスト。2022年度の日本における受験者数は約13万2,000人。

《田中志実》

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