公立中の約2割、公立高の約1割で部活動の地域移行をはじめている一方、指導員の人材確保や費用などに課題が生じていることが、菅公学生服が2023年6月に実施した調査結果より明らかになった。
調査は2023年6月、全国の教員(公立中566人、公立高615人)計1,181人を対象に実施。結果を、菅公学生服が毎月最終火曜に発信している調査レポート「カンコーホームルーム」にて、公表した。
調査結果によると、部活動の地域移行実施の有無について、「すべての部活動で移行している」との回答が、公立中で1.9%、公立高で1.1%。「一部の部活動で限定的に移行している」が公立中学で16.6%、公立高で8.9%という状況にあり、公立中の約2割、公立高の約1割で地域に移行していることがわかった。
「今後、移行予定がある」と回答した公立中は36.7%みられ、すでに移行している学校とあわせると、公立中では半数以上の学校で部活動の地域移行へ向けて取り組んでいるようだ。一方で、公立高では「移行予定はない」との回答が68.8%と多く、中学と高校では導入のようすに違いがみられた。
地域移行における課題については、中高共に「部活動指導員・外部指導員の人材確保(中学校82.9%、高校68.6%)」がもっとも多く、「部活動指導員・外部指導員の費用(中学校52.5%、高校50.6%)」とともに半数の以上の学校が課題に感じていることがわかった。
また、「事故、ケガ、生徒間トラブルの対応(中学校51.2%、高校42.6%)」、「保護者への説明・理解(中学校39.9%、高校29.3%)」、「部活動指導員・外部指導員の指導力・専門知識・スキル(中学校37.5%、高校36.3%)」などをあげる学校も少なくなく、部活動の地域移行をめぐる課題が浮き彫りになる結果となった。
しかしながら、生徒が学生時代に部活動・クラブに取り組むことの必要性については、「とても必要(中学校43.6%、高校46.7%)」と、「やや必要(中学校45.9%、高校38.9%)」をあわせると、約9割の教員が部活動・クラブは必要と回答している。菅公学生服は、「部活動の価値を踏まえながら、少子化や教員の働き方改革といった時代の変化とともに、新しい部活動のあり方が求められている」とした。