文部科学省は2023年6月7日、高等学校情報科教員の専門性の向上について、全国の教育委員会などに事務連絡を出した。情報処理学会主催の情報科教員研修、情報科特設サイトの授業動画など、指導力向上のための情報を効果的に提供し、積極的な活用を促進するよう求めている。
高等学校の情報科では、2022年度より共通必履修科目「情報I」がスタート。2023年度には選択科目「情報II」の開設が始まるなど、指導体制の一層の充実が求められている。
今回、文部科学省は都道府県・指定都市教育委員会情報教育担当課長、都道府県私立学校主管部課長宛てに高等学校情報科教員の専門性の向上について依頼する事務連絡を出した。情報処理学会主催の「2023年度高等学校情報科教員研修」、文部科学省が情報科特設サイトで提供している動画などの積極的な参加や活用をお願いしている。
情報処理学会主催の「高等学校情報科教員研修」は、2014年度より教員免許状更新講習として実施してきたが、2022年7月の教員免許更新制廃止後も必要性を鑑み、文部科学省などと連携し、これまでの内容を継続して実施するもの。オンデマンドにより、7月下旬から2024年1月31日まで受講できる。
申込期間は7月10日から12月15日。受講料(予定)は、個人申込みが2,200円(税込)、情報処理学会会員は無料。団体申込みは1機関(団体)3万3,000円(税込)。
このほか、文部科学省の情報科特設サイトでは、情報Iのポイントをわかりやすく説明する実践的な授業動画など、情報処理学会などと連携してさまざまな研修用教材・講義動画などを提供している。2023年度からは、文部科学省教科調査官の監修のもと、NHK高校講座「情報I」も放送している。
事務連絡では、夏季休業期間などを活用した積極的な参加を促進する観点から、これらの情報を効果的に提供し、研修受講の奨励を推進するなど、できる限り多くの情報科教員が研修の機会を活用できるよう依頼している。
今後は、免許外教科担任などの解消に向けた取組状況(2023年度の配置状況、2024年度の予定)について調査・公表する際、指導力向上に資する各種研修の受講状況や今後の予定もあわせて把握することを検討しているという。