保育施設における保護者への請求・集金方法について、キャッシュレス決済を行っている施設は全体の5.5%程度にとどまり、保育施設においてクレジットカードやQRコードを使った電子決済の活用が進んでいない現状が、コドモンが行ったアンケート調査から明らかになった。
コドモンは、保育・教育施設向けICTサービス「コドモン」を利用する保育施設の園長先生を対象に「保護者への請求・集金に関する現状と課題に関する調査」を実施。結果レポートを公開した。調査期間は2023年4月7日~15日、Web上で実施し254件の回答を得た。今回、口座振替はキャッシュレス決済の手段として含めず、レポートではクレジットカード・ICカード・QRコードの3種類をキャッシュレス決済と定義している。
現在施設で対応している保護者向けの請求・集金方法は、「口座振替(自動振替)」77.6%、「現金での請求・集金」57.5%という結果に。口座振替の場合でも現金を併用しているとの回答が38.6%あり、完全に現金回収業務がなくなっていない施設が約60%にのぼった。10.2%だった「その他」の内、「キャッシュレス決済(クレジットカード・ICカード・QRコード決済)」を行っている割合は全体の5.5%程度にとどまり、保育施設においてクレジットカードやQRコードを使った電子決済の活用が進んでいない現状がうかがえる。
現金回収の課題について、62.6%が「集金や金額確認の手間」、49.2%が「未払い者の管理や督促」と回答。現金を施設内で保管する不安・盗難紛失のリスクも42.9%の施設が感じており、現金回収に手間とリスクを要していることがわかる。
毎月の請求・集金のための事務作業に要する時間については、「30分以上~1時間未満」がもっとも多く26.0%。ついで、「1時間以上~2時間未満」24.0%、「2時間以上~3時間未満」16.9%、「4時間以上」と回答した施設も14.2%あった。
今後の現金回収の意向については、半数を超える55.5%が「できるなら廃止したい」と回答。29.5%は「すでに現金回収を廃止」しており、全体の85.0%の施設が現金回収を廃止する方向で進めていた。
キャッシュレス決済導入時の課題としては、「決済手数料が高い」が最多の44.5%、「端末導入費用など初期費用が高い」が42.1%と、コスト面での課題の声が多く聞かれた。一方、「クレジットカードなどを持たない保護者への配慮」26.0%や「自治体から利用を承認されない」4.3%といった声もあり、施設を取り巻く環境や各家庭にあわせた対応に難しさを感じている施設もあった。
レポート全文はコドモンのWebサイトから見ることができる。