私立大学を経営する全国545法人のうち、半数を超える287法人が直近の2025年3月期決算で赤字だったことが、東京商工リサーチ TSRデータインサイトの調査結果より明らかになった。少子化や運営コストの上昇が影響し、経営環境の厳しさが一段と増している実態が浮かびあがった。一方、売上トップは順天堂、利益トップは帝京と、医療系の強さが目立つ。
調査対象は、2025年3月期を最新期として3期連続で業績が確認できた全国の私立大学を経営する545法人。売上高合計は前期比1.5%増の6兆8,265億円とわずかに増収だった一方、利益は同29.1%減と大幅に減少し、「増収減益」で経営の採算性が低下していることがわかる。黒字258法人(構成比47.3%)に対し、赤字は287法人(同52.6%)に達し、赤字率は初めて5割を超えた。
法人規模別では、売上高100億円以上の大規模法人(130法人)でも赤字率22.3%と厳しい状態にあり、売上高10億円未満の中小規模法人(49法人)では赤字率が69.3%と約7割に達している。単科大学や短期大学が多い小規模法人では長期的に赤字を継続する法人も多く、事業規模で格差が生じていることがわかる。
地域別の赤字率は四国が88.9%ともっとも高く、ついで東北と北陸が66.7%、中部が63.1%、北海道が60.0%と6割を超えた。人口減少地方で赤字率が高い傾向が顕著に見られる。近畿・中国・九州はいずれも5割代。関東は他地区に比べ低いながらも43.5%に及び、全国的に構造的課題が浮かびあがった。
売上高ランキングでは、医療系学部や附属病院を有する大学法人が上位を独占した。売上高トップは順天堂大学を経営する学校法人順天堂(2,215億6,100万円)。続いて日本大学、慶應義塾大学、西日本から近畿大学、東海大学がランクイン。上位10法人はいずれも医学部系統を擁しており、医療関連収益が経営安定に寄与していることがうかがえる。
利益面では帝京大学を経営する学校法人帝京が234億9,600万円でトップ。利益上位法人にも医療系教育機関が目立ち、医療・健康分野を中心とした収益基盤が経営を下支えしている。売上・利益ともトップ10にランクインした法人は慶應義塾大学と近畿大学の2法人のみとなった。
また、箱根駅伝出場校20法人をみると、19法人で売上高100億円を超えており、知名度とブランド力が経営安定につながっていることがうかがえる。唯一100億円に届かなかったのは中央学院で、売上高53億3,600万円。利益面でも20法人中、16法人が黒字を計上しており、知名度だけでなく経営の安定度も目立つ結果となった。










