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学修成果の可視化、大学教職員が抱える課題とは

 ハーモニープラスは2023年5月7日、「学修成果の可視化とデータ活用における課題」に関する調査の結果を公表した。多くの大学が教学マネジメントの確立に向けて学修成果・教育成果の把握・可視化に取り組んでいる一方、取組状況は大学によって異なった。

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学修成果の可視化について、今後使いたいまたは使う予定の指標
  • 学修成果の可視化について、今後使いたいまたは使う予定の指標
  • あなたの大学での学修成果の指標を測定するうえでの課題
  • 現在大学で使用しているシステム

 ハーモニープラスは2023年5月7日、大学・短期大学・大学院の教職員を対象とした「学修成果の可視化とデータ活用における課題」に関する調査の結果を公表した。多くの大学が教学マネジメントの確立に向けて学修成果・教育成果の把握・可視化に取り組んでいる一方、2割超が「測定していない」と回答し、取組状況は大学によって異なった。

 「学修成果の可視化とデータ活用における課題」に関する調査は、学修成果・教育成果の可視化・分析ツール「学修成果MOE」を提供するハーモニープラスが2022年9月20日~26日、全国の4年制大学・短期大学・大学院の教職員を対象にインターネットで実施。1,009人から回答を得た。

 学修成果の可視化について、今後使いたいまたは使う予定の指標を質問したところ、「GPA」38.9%がもっとも多く、「修得単位状況」32.2%、「入試結果」29.7%、「アンケート」28.8%、「就職率」25.7%、「測定していない」24.2%、「退学率」18.8%、「DP成績」16.6%、「アセスメントテスト」16.1%、「語学スコア」15.9%と続いた。多くの大学が教学マネジメントの確立に向けて学修成果・教育成果の把握・可視化に取り組んでいる一方、「測定していない」との回答が2割を超えた。

 学修成果の指標を測定するうえでの課題は、「学修成果の活用」41.3%、「可視化データの体系化」40.3%、「キャリアとの接続」30.6%、「教職員間の連携」29.9%、「データの妥当性」28.1%、「評価指標の選定」25.4%の順に多かった。

 もっとも割合の多かった「学修成果の活用」について、直接複数の大学に聞いたところ、「学生へのフィードバック」「FD(ファカルティ・ディベロップメント)の考察の材料」「授業・教育改善」等に用いることが多いという回答を得たという。

 現在、大学で使用しているシステムは、「Google系」43.6%が最多、ついで「Microsoft系」42.2%、「ポータル」26.8%、「ポートフォリオ」16.2%、「LMS」14.4%。「使用していない」という回答も12.8%あった。ハーモニープラスでは「全体的な流れとしては教育の現場ではシステムを活用してFDが行われる流れが主流であることが確認できる」としている。

 文部科学省中央教育審議会が2020年の第152回大学分科会で取りまとめた「教学マネジメント指針」では、学修成果・教育成果の把握・可視化にあたり、その限界に留意しつつも、学生が方針に定められた学修目標の達成状況を可視化されたエビデンスとともに説明できるよう、複数の情報を組みあわせた多元的な形で行う必要があるとしている。

 今回の調査結果を受けてハーモニープラスは「学生指導のさらなる充実のため、システムやクラウドへの理解とともに学修成果・教育成果を可視化し、高度な分析を行うことが重要」等とまとめている。

《奥山直美》

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