文部科学省は2023年2月10日、令和3年度(2021年度)の大学等における産学連携等の実施状況を公表した。民間企業からの研究資金等受入額は前年度比4.4%増の約1,278億円で、このうち共同研究が約69.9%を占める。
文部科学省では、産学連携等の実施状況について広く把握し、今後の施策の企画・立案に反映させることを目的として、全国の大学等を対象に産学連携等の実施状況を毎年度調査している。2021年度は、国公私立の大学(短大含む)および高等専門学校、大学共同利用機関をあわせた1,078機関を対象に実績を調査し、計1,055機関から回答を得た。調査時点は2022年3月31日現在。
研究資金等受入額は約4,112億円で、前年度と比べ約423億円(11.5%)増加した。内訳をみると、共同研究が約1,030億円(前年度比4.6%増)、受託研究が約2,793億円(同14.9%増)、治験等が約228億円(同4.9%増)、知的財産が約61億円(同9.8%増)。
民間企業からの研究資金等受入額は前年度比4.4%増の約1,278億円。このうち共同研究の実施件数は2万644件で過去5年で最多。研究費受入額は約893億円で全体の約69.9%を占めている。1件あたりの受入額が1,000万円以上の共同研究に係る受入額は約505億円であった。
個別実績をみると、民間企業との共同研究実施件数TOP5は、1位「東京大学」1,945件、2位「東北大学」1,337件、 3位「大阪大学」1,308件、4位「京都大学」1,276件、5位「慶應義塾大学」778件。前回調査(2020年度調査)と比較して、東北大学が1ランク上昇、神戸大学が前回10位から2ランク上昇した。
共同研究費受入額のTOPも「東京大学」で150億8,625万8,000円。2位の「大阪大学」に約1.7倍の大差をつけた。2位以降は、3位「東北大学」、4位「京都大学」、5位「名古屋大学」。一方、順天堂大学は、民間企業との共同研究にともなう1件あたりの研究費受入額が883万6,000円でトップとなった。