教育業界ニュース

将来必要な力「主体性と課題発見力」リクルート高校教育調査

 高校教員が生徒に対して将来的に特に必要と思う力は、主体性・課題発見力・実行力・創造力の順であることが2023年1月16日、リクルート進学総研の調査結果から明らかになった。中でも「課題発見力」は前年比5.0ポイント増の47.4%と過去最高となった。

教育行政 その他
生徒にとって将来的に「特に必要とされる」と思う社会人能力と「生徒が現在持っている」と思う社会人基礎力
  • 生徒にとって将来的に「特に必要とされる」と思う社会人能力と「生徒が現在持っている」と思う社会人基礎力
  • キャリア教育実施時間
  • 「探究活動」の生徒の進路選択へのつながりについての考え
  • キャリア教育の今後の課題
  • 進路指導上の課題
  • 「これからの社会」の高校生にとっての好ましさ
  • 「アントレプレナーシップ教育」の導入状況

 高校教員が生徒に対して将来的に特に必要と思う力は、主体性・課題発見力・実行力・創造力の順であることが2023年1月16日、リクルート進学総研の調査結果から明らかになった。中でも「課題発見力」は前年比5.0ポイント増の47.4%と過去最高となった。

 「高校教育改革に関する調査2022(リクルート進学総研調べ)」は、全日制高校の教育改革の実態を明らかにするため、全国の全日制高校4,721校を対象に実施し943件の有効回答を集計したもの。調査期間は2022年8月4日~9月9日(集計対象は9月13日郵送到着分まで)。「新学習指導要領・ICT活用」編、「進路指導・キャリア教育」編の2つあり、今回は「進路指導・キャリア教育」編の結果を公表した。

 キャリア教育を実施する時間は「総合的な探究(学習)の時間」が77.6%で最多。「教科の時間」「長期休暇の課題として」「修学旅行や遠足」は2014年調査以降、緩やかな低下が続いている。

 「探究活動」の生徒の進路選択へのつながりとしては、「志望校や志望分野選びにつながる(51.3%)」「総合型選抜等、入学者選抜に活用できる(52.4%)」は、それぞれ前回の2021年調査よりやや増加した。一方で「前向きな進路選択の態度の醸成につながる(46.9%)」は前回調査比14.3ポイント減と大幅に低下した。

 キャリア教育を進めていくうえでの今後の課題は「教員の負担の大きさ(67.8%)」がトップ。2位の「実施時間の不足(48.7%)」とともに前回の2021年調査より4.8~5.3ポイント上昇した。

 進路指導上の課題は、「教員が進路指導を行うための時間の不足(62.6%)」がもっとも多く、「入学者選抜の多様化」「進路選択・決定能力の不足」が5割台で続く。「これからの社会の好ましさ」については、全体の42.8%が、生徒にとってこれからの社会が「とても好ましい社会だ」「まあまあ好ましい社会だ」と回答。一方で、「あまり好ましい社会ではない」「非常に好ましくない社会だ」との回答は、前回調査比19.1ポイント増の55.5%と大幅に上昇した。

 将来的に特に必要と思う社会人基礎力は、1位「主体性(50.6%)」、2位「課題発見力(47.4%)」、3位「実行力(26.6%)」、4位「創造力(26.5%)」。中でも「課題発見力」は前回の2021年調査から5.0ポイント上昇し過去最高となった。また、「生徒が現在持っている」と思う社会人基礎力は、「規律性(55.1%)」が突出して高く、「傾聴力(34.0%)」、「柔軟性(22.5%)」と続いた。

 起業家教育と訳される「アントレプレナーシップ教育」は、「導入・活用している」「導入・活用を検討している」をあわせて18.1%。一方、過半数が「導入・活用をしていないし、する予定もない」と回答している。アントレプレナーシップ教育の導入にあたっての課題や不安については、起業意識の醸成を実現できる教員の不足や外部(企業)との連携ネットワーク等の「学校体制」と「生徒への必要性」等に対する意見が多く、中には「安易な進路選択を導く危険性につながる」といった厳しい意見も見受けられた。

《川端珠紀》

この記事はいかがでしたか?

  • いいね
  • 大好き
  • 驚いた
  • つまらない
  • かなしい

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top