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全国初、ヤングケアラー支援計画を策定…山梨県

 山梨県は、ヤングケアラーやその家族に寄り沿った支援を展開していくため、支援の方向性を具現化した「山梨県ヤングケアラー支援計画」を策定し、2022年12月28日に山梨県Webサイトに公表した。

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ヤングケアラー支援計画
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  • ヤングケアラーの実態調査の結果
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 山梨県は、ヤングケアラーやその家族に寄り沿った支援を展開していくため、支援の方向性を具現化した「山梨県ヤングケアラー支援計画」を策定し、2022年12月28日に山梨県Webサイトに公表した。

 「山梨県ヤングケアラー支援計画」では、ヤングケアラーが家庭の状況や育った環境に左右されることなく、すべての子供が将来への希望や期待を抱き、その実現に向けて挑戦できる社会の実現に向けた思いを込め、「すべての子供が夢に向かって挑戦できるやまなし~気付いてつながろう 山梨コネクトヤングケアラー」を基本理念に定めている。

 計画策定にあたり、2021年度に引き続きヤングケアラー実態調査を実施。子供に加え、未調査領域であった保護者、一般県民のヤングケアラーに対する意識や実態、養護教諭、スクールソーシャルワーカー等の学校支援者の支援状況を把握した。これを踏まえ、ヤングケアラーの認知度やヤングケアラーの県独自のとらえ方等を新たに示し、調査結果報告書についても公表した。

 同計画で支援するヤングケアラーは、「本来大人が担うとされる家事や家族の世話等を日常的に行うことで子供自身の権利が守られていない子供」と定義している。なお、ヤングケアラーに特化した支援計画の策定は、全国の自治体で初めての取組みになるという。

 ヤングケアラー支援計画の構成は、「計画の概要」「ヤングケアラーを取り巻く環境」「計画理念」「施策体系・施策展開」「計画の進捗管理」の全5章。計画期間は2022年度~2024年度。おもな記載事項は「ヤングケアラーの定義」「ヤングケアラー実態調査の結果」「ヤングケアラーのとらえ方」「基本理念」「展開する4つの施策」「KPI」等。策定日は2022年12月28日で、計画書および概要版について、山梨県Webサイトに掲載している。

 ヤングケアラーの実態調査の結果、認知度については「内容まで知っている」と回答した子供は55.4%と、2021年度の15.3%から大幅に増加。保護者、一般県民共に6~8割程度と高い結果となった。

 ヤングケアラーのとらえ方については、自身がヤングケアラーに「あてはまる」とする子供は、2021年度と比べて減少したが、「わからない」との回答が増加。このため、ヤングケアラーに該当するか「わからない」と回答した子供について、現在抱えている悩みや困りごとの状況から「ヤングケアラー」と思われる子供として分析した。

 また、「ヤングケアラー」として自己認知している子供と、家族の悩み等を考慮した「ヤングケアラー」と思われる子供の割合の合計3.6%を「新たなヤングケアラーの考え方」として整理。これまでは、「お世話をしている家族がいる」と回答した子供をヤングケアラーに該当する可能性があるととらえてきたが、この考え方は、よりヤングケアラーの実態に近いものとして「山梨県独自のヤングケアラーのとらえ方」として整理した。


《いろは》

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