大学入試センターは、2020年の「成長戦略フォローアップ」等の過去の閣議決定を踏まえ、共通テストにおけるCBTの活用、特に「情報I」出題でのCBT活用について調査研究を行い、これまでの調査研究の成果を大学や高等学校等で活用してもらえるよう報告書にまとめ、6月14日公表した。ここでいうCBTとは、コンピュータを使った試験方式のこと。
「CBTでの『情報I』の出題に関する調査研究について(報告)」は、本編が第1章~第3章、付録1~6を関連資料として掲載している。第1章は、「情報I」を出題するためのCBTシステムに関する調査研究。先行研究である阪大システムについて分析し、2種類の問題形式について調査したもの。第2章は、試験問題の蓄積・管理システムについての構想、課題や留意点等。第3章は、将来的な大規模CBTシステムの開発に向けて、システム開発の進め方や開発の際の留意点等を掲載している。
また、情報技術を利活用する試験問題や独自形式の試験問題を導入するための取り決めであるPCI(Portable Custom Interaction)についても調査研究を行っている。この研究では、プログラミングやデータの活用についての問題を出題するため3種類のモジュールを開発し、オープンソースとしてgithubで公開。報告書内(1の付録1・付録2-2)に、PCIモジュールとそのインストール方法について掲載している。
また、2021年度(令和3年度)入学者選抜において CBTを活用した大学に対してヒアリングを行い、各大学のCBT試験の実施方法等についても事例集に取りまとめた。これらの調査研究は、テスト理論、情報・情報技術、情報教育等の各分野の有識者が参画し、文部科学省の大学改革推進等補助金により実施している。
報告書は大学入試センターWebサイトで閲覧できる。