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学校施設の水害対策、中間報告を公表…文科省

 文部科学省は2022年6月14日、「水害リスクを踏まえた学校施設の水害対策の推進に向けて」と題した中間報告を公表した。学校施設の水害対策の基本的な視点等を提言している。今後、2022年度末をめどに最終報告において、対策の手順等を示した手引きを策定予定。

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「水害リスクを踏まえた学校施設の水害対策の推進に向けて」中間報告(概要)
  • 「水害リスクを踏まえた学校施設の水害対策の推進に向けて」中間報告(概要)
  • 「水害リスクを踏まえた学校施設の水害対策の推進に向けて」中間報告(目次)
 文部科学省は2022年6月14日、「水害リスクを踏まえた学校施設の水害対策の推進に向けて」と題した中間報告を公表した。学校施設の水害対策の基本的な視点、域内の水害対策の取組みの方向性等を提言している。今後、2022年度末をめどに最終報告において、対策の手順等を示した手引きを策定予定。

 近年の激甚化、頻発化する豪雨等の水害により、学校施設においても大きな被害が発生している。また、2021年度の流域治水関連法の制定等により、学校施設においても水害に対する被害低減等の取組みを進めることが必要になってきている。2021年6月の「浸水想定区域・土砂災害警戒区域に立地する学校に関する調査」では、浸水想定区域に立地し要配慮者利用施設として位置づけられた公立学校のうち、学校施設内への浸水対策等を実施している学校は約15%にとどまることが明らかになっている。

 文部科学省では、学校施設の水害対策の取組みを推進するための方策等の検討のため、「学校施設等の防災・減災対策の推進に関する調査研究協力者会議」を設置。今後の学校施設の水害対策の基本的な考え方について検討し、これまでの検討内容を中間報告として取りまとめた。

 中間報告は、「近年の水害と学校施設を取り巻く現状」「学校施設の水害対策の基本的な視点」「学校施設の水害対策の検討の枠組み」「国による推進方策」の4章で構成。このうち、「学校施設の水害対策の基本的な視点」では、緊急時の幼児児童生徒等の安全確保や学校教育活動の早期再開等、学校施設として果たすべき役割を第一に置きつつ、災害時には地域防災上の役割にも留意して水害対策を検討すること等を示している。

 「学校施設の水害対策の検討の枠組み」では、治水担当部局等の協力を得て、域内のハザード情報(想定浸水深、発生確率等)を把握。その際、1,000年に1回程度の割合で発生する想定最大規模の降雨による浸水想定だけでなく、10年に1回、30年に1回、50年に1回等、より発生確率の高い浸水想定等についても情報を整理。学校施設の脆弱性を踏まえ、域内の学校施設の水害対策の方向性・優先度を検討するよう提言している。

 文部科学省では今後、中間報告を参考にしながら、学校施設の水害対策に取り組むよう各学校設置者に通知。教育委員会と治水担当部局、防災部局等との連携体制の強化を要請する事務連絡についても関係省庁と連携して発出する。2022年度末をめどに最終報告において、学校施設の水害対策を進める際の具体的な対策の手順等を示した手引きを策定する予定。

《奥山直美》

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