京都産業大学ダイバーシティ推進室は、男女共同参画推進の基本方針と行動計画、SOGI(性的指向および性自認)の多様性に関する基本理念を策定し、それに基づいた取組みを行っている。3月には、現代社会学部 藤野敦子ゼミの有志学生らが、生理用品無料ディスペンサーの学内設置に関する要望書を提出。「生理の貧困」を研究テーマに、ゼミ活動の中でダイバーシティ推進室と連携し、女子学生を対象に「生理に関する実態調査」を行い、オンライン企画の場で発表してきた。現在は設置に向けた具体的な検討を進めているという。
5月25日に実施したオンラインセミナー「上野千鶴子さんと考える、なぜ大学にダイバーシティが必要か?」では、ジェンダー研究のパイオニアで、東京大学名誉教授の上野千鶴子氏を講師に迎え、当日は学生・教職員ら100名以上が参加した。
講演では、さまざまなデータをもとに、現代社会のジェンダーギャップの構造が紹介され、そのような社会を変えていくために、求められる姿勢が語られた。また、学生からは日本の社会規範や文化等について、それぞれの学部特性が感じられるような質問があがったという。
講師の上野千鶴子氏は「学問は異論から発展する」とし、そのために多様な価値観を認めていくことが必要であると解説。参加者は大学での学びや社会のあり方について考える機会を得て「私たちが、これからの社会をつくっていくのだ」という思いを新たにした。
京都産業大学は、2014年10月に文部科学省・科学技術人材育成費補助事業「女性研究者研究活動支援事業(一般型)」の採択を受けて、京都産業大学型ポジティブ・アクションを軸とした研究者支援策を策定のうえ、2015年3月「男女共同参画宣言」を発表。「ダイバーシティ(多様性)」を認める社会の実現に向けて取組み、2017年よりダイバーシティ推進室を設置している。