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文科省、私立学校法改正法案骨子を策定

 文部科学省は2022年5月20日、「私立学校法改正法案骨子」を策定した。学校法人における円滑な業務の執行等、管理運営に関する規定を整備するとともに、特別背任罪等の罰則についても定めたもので、今後はこれらをもとに法制化作業を進めていく。

教育行政 文部科学省
私立学校法改正法案骨子(一部)
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  • 学校法人制度改革の具体的方策について(概要)
  • 学校法人制度改革の具体的方策について(概要)
 文部科学省は2022年5月20日、「私立学校法改正法案骨子」を策定した。学校法人における円滑な業務の執行等、管理運営に関する規定を整備するとともに、特別背任罪等の罰則についても定めたもので、今後はこれらをもとに法制化作業を進めていく。

 文部科学省は、大学設置・学校法人審議会学校法人分科会 学校法人制度改革特別委員会の報告書「学校法人制度改革の具体的方策について」(3月29日)等を踏まえ、私立学校法の改正法案について骨子案を作成。骨子案については、任意の意見募集を5月3日まで行っていた。意見は329件集まり、Webサイトでは意見とともに、文部科学省の考え方をまとめている。

 「私立学校法改正法案骨子」は、学校法人における円滑な業務の執行、幅広い関係者の意見の反映、逸脱した業務執行の防止・是正を図るため、理事、監事、評議員および会計監査人の選任および解任の手続、理事会および評議員会の権限および運営等の学校法人の管理運営に関する規定を整備するとともに、特別背任罪等の罰則について定めるもの。

 基本的な考え方として、学校法人の機関設計については、「執行と監視・監督の役割の明確化・分離」の考え方から、各機関の権限分配について、法人の意思決定と業務執行の権限や業務執行に対する監督・監視の権限を明確に整理し、私立学校の特性に応じた形で「建設的な協働と相互けん制」を確立する観点から、必要な法的規律を共通に明確化して定める等をあげている。

 学校法人の意思決定の権限については、大臣所轄学校法人における学校法人の基礎的変更に係る事項(任意解散・合併)および重要な寄附行為の変更について、理事会の決定とともに評議員会の決議(承認)を要することとする。

 評議員および評議員会については、理事と評議員の兼職を禁止することとする。また、評議員の下限定数は、理事の定数を超える数まで引き下げることとする。評議員の選任は、評議員会が行うことを基本としつつ、理事・理事会により選任される者の評議員の定数に占める数や割合に一定の上限を設けることとする。さらに、教職員、役員近親者等については、それぞれ評議員の定数に占める数や割合に一定の上限を設けることとする等7項目をあげ、それらの措置や必要な制度改正を実施する。その他、監事、会計監査、内部統制システムの整備等を定めている。

 文部科学省は今後、法案骨子をもとに法制化作業を進めていく。
《田中志実》

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