教育業界ニュース

養護教諭のコロナ対策、実践事例集を作成…埼玉県

 埼玉県教育委員会と埼玉県養護教諭会は2022年3月10日、学校における新型コロナウイルス感染症の感染防止対策の充実を図るため、各学校の養護教諭等の取組みを集めた事例集を作成したことを公表した。

事例 その他
 埼玉県教育委員会と埼玉県養護教諭会は2022年3月10日、学校における新型コロナウイルス感染症の感染防止対策の充実を図るため、各学校の養護教諭等の取組みを集めた事例集を作成したことを公表した。

 事例集「学校における新型コロナウイルス感染防止対策活動実践事例集~養護教諭の取組を中心として~」は、県内国公立学校(小学校・中学校・高等学校・特別支援学校)で取り組まれている77事例を紹介。また、学校現場の疑問に対する専門家による助言(Q&A形式)についてもまとめている。

 実践事例の内容として、健康観察、学校環境衛生等の「保健管理」(23事例)。特別活動、日常における指導および個別指導等の「保健教育」(29事例)。校内連携、学校医等との連携等の「組織活動・保健室経営」(25事例)をあげている。

 保健管理の事例では、小学校で「感染症対策を念頭においた救急処置~いつもニコニコ保健」をテーマに、けがで来室した児童、処置をする養護教諭や教員を感染症から守るための取組みを紹介。保健室の隣室を第2保健室に配置換えをし、第1保健室を外科的処置、第2保健室を内科的処置の部屋と設定。保健室出入口に手指消毒の設置や消毒が容易にできる物品や使い捨て物品を積極的使用した。

 咳や発熱等の症状がある児童とけがをした児童が同時に来室した場合でも、部屋を分けたことで安心して(濃厚接触等の心配をしないため)対応することができたという。ただ、児童が第2保健室で休養しているときは、濃厚接触者とならないように、部屋の外から見守りをしている。そのため、児童の異変に気が付きにくいという課題もみられた。

 その他、中学校の保健教育では「感染症の予防」をテーマに実施。感染症はどのように発生するのか、どのような特徴があるのか等についても取り上げ、それらを理解したうえで具体的にどのような予防策を実践できるかを考えられるようにした。成果として、生徒が感染症予防の三原則を理解し、「今、自分たちにできること」を考え実践できるようになった。今後の課題として、感染症の予防とあわせて、ストレスへの対処等心の健康についての学習も行っていく必要があるという。

 おもな配布先は、県内国公立学校の計1,420校(さいたま市を含む)。また、埼玉県Webサイトから事例集のPDFファイルをダウンロードできる。
《田中志実》

この記事はいかがでしたか?

  • いいね
  • 大好き
  • 驚いた
  • つまらない
  • かなしい

【注目の記事】

編集部おすすめの記事

特集

page top