当日は、日本マイクロソフトの業務執行役員 パブリックセクター事業本部 文教営業統括本部 統括本部長の中井陽子氏、モダンワーク&セキュリティビジネス本部 本部長の山崎善寛氏、Surfaceビジネス本部 本部長 石田圭志氏が登壇した。
児童・生徒の選択肢を増やし、ウェルビーイングにもつなげる
まず中井氏から「マイクロソフトの教育における今後の取組み」が説明された。GIGAスクールで全国の小中学校に端末の整備が進んだ現在、マイクロソフトでは全国の自治体の先生への活用支援や生徒にフォーカスした新しい学習の確立に取り組み、先生方の働き方・教え方、生徒の学び方へのアプローチを改革し続けている。
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山梨県立甲府西高校ではICTの活用で生徒たちの学びが大きく変わり、探究からの深い学びに結び付いている。鹿児島県では小中高と学年が上がるにつれてIDを引き継げる県域教育用ドメインが導入され、12年間の共通アカウントの配布が実施された。将来的には学習ログの取得から生徒の個性に合わせた学びの実現に向かうという。中井氏は「それぞれの課題をGIGAスクール構想で入ったICTデバイスが解決していくことが日本中で起こっている」と話した。
また「学びの機会にさまざまなチャレンジが出てきた。これからもっと生徒たちと先生たちがつながっていくプラットフォームをマイクロソフトが提供できないか。それがグローバルの開発の原動力にもなっている」と中井氏が話すように、今回の新製品・サービスが全世界的に拡張したさまざまな多様性に富んだニーズを満たすものであることが示された。
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学びの機会を最大化する新たなMicrosoft 365とWindows 11
続いて山崎氏による「学びの機会を最大化、Microsoft 365とWindows 11新製品戦略」にて、学習者と教職員が触れる統合プラットフォームのWindows 11と、Microsoft 365のクラウドサービスであるTeamsの進化が披露された。
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Microsoft 365 A1 for Devices
日本では端末ごとに4,128円でライセンスが提供される。これまでもGIGAスクール構想で特別なパッケージ「GIGA Promo」を提供してきた同社だが、さまざまなフィードバックを含めてグローバルで新しく提供するものだ。「クラウドのサブスクリプションではありますが、6年間、端末単位でライセンスを提供します。GIGAスクール構想でもやはり公費負担や自治体負担でクラウドサービスを導入する場合に、一括前払いという要望が強くありました」と山崎氏は説明した。
Microsoft 365 A1 for Devicesは、クラウドからWindowsだけではないさまざまな端末の運用管理ができるIntune for Education、Office 365 Education、Minecraft Education Editionがライセンスに含まれている。特に山崎氏が今回ニーズに応えて注力したというマインクラフトは今後、プログラミング授業の活性化につながると期待が高まる。
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教育機関向けのラインアップは拡充した。教育機関が無償で使いたい場合は、Office 365 A1があり、より上位のMicrosoft 365 A3、A5というライセンスも引き続き提供される。特にMicrosoft 365 A3、A5は、教職員を含めて包括契約した場合、生徒に無償で一部の機能を提供するといった特別な仕組みが用意されているので、教育機関それぞれの要望に合わせた利用が検討できる。
Teamsの新機能
児童・生徒のウェルビーイングに結び付ける新機能が備わった。子供たちの感情をキャッチするTeamsアプリ「リフレクト」という機能は、Teams for Educationを使っていれば無償で使うことができる。生徒自身の今日の気分をかわいいキャラクターで入力することが可能。「先生が生徒の変化を感じ取って、ずっと気分が良かったにもかかわらず、急に不安を示している生徒を見つけたり、逆にずっと嫌なことがあったと毎日示しているのに、良いことがあったと示したら、生徒に声掛けをするというきっかけづくりを手助けするツールです」と山崎氏は子供たちのウェルビーイングに結び付くことを説明した。なお、このツールの実際の活用例は12月17日にセミナーが予定されているという。
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なお当OSは端末に紐づいたプリインストールのみの提供となっている。そのため、このOSを単体でダウンロードしてのインストールはできない。この理由を「さまざまなパートナーのデバイスとOSを組み合わせて最適な状態で提供することが今回のOSでは非常に重要視されているため、プリインストールのみの提供にさせていただいています」と山崎氏は説明した。またライセンスは別途購入が必要だが、いくつかのアプリケーションをプリインストールして、実際に学校現場でのインストールの負荷を下げることも可能だ。
Windows 11 SEのターゲットは幼稚園から小学校・中学校。「高校から大学に進むにつれて、よりハイスペックなものが求められる傾向にあります。実際に企業で使われているプラットフォームを高校から大学のうちに学んで使いこなすといったことも非常に重要なので、あらゆる学年や進路に合わせて最適なデバイスとOSの提供を実現したい」と山崎氏はこの新たなOSの位置づけを見通した。
手頃な価格の入門機「Surface Laptop SE」
最後に新たな端末である「Surface Laptop SE」を石田氏が紹介した。「マイクロソフトではこれまでもSurface GoやSurface Proを中心に多くの教育機関のソリューションに携わってきたが今回、さらに多くの児童・生徒の学びの機会の提供を拡大する思いがあります」と石田氏は開発の背景を語った。
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「Surface Laptop SE」にはWindows 11 SEがプリインストールされ、オンライン学習に必要なカメラ、マイク、スピーカーが備わっている。また修理のしやすさも考慮された設計で、バッテリーの駆動時間は最大16時間と、クラスでの利用からそのまま自宅への持帰りによる学習場面を想定。届いたばかりの実機の紹介では、プラスチック製の筐体は非常にコンパクトで使い心地の良さを印象づけた。
この「Surface Laptop SE」は教育機関向けに11月30日より出荷開始で、ラインアップは2種類の構成となっている。これまでのSurfaceファミリーのSurface Go、Surface Proのラインアップに入門機が加わった形で、石田氏は「あらゆる教育機関にはいろいろな活用シナリオがあると思います。シナリオにあった最適な端末やサービスを選んでいただければと考えています」と話した。今後は、教育機関向けに「Surface Laptop SE」の情報提供を強化していく予定だという。
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教育ニーズの多様性からウェルビーイングにまで視野を拡大したマイクロソフトのOSやクラウドサービスは、今後も子供たちと先生たちを支えるだろう。グローバルな教育市場における豊富な経験が、さらに日本で生きることを期待したい。