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1人1台端末の利活用動向、44%の自治体「通信環境に課題」

 授業でGIGAスクール端末を「毎日利用している」生徒は20%に留まり、44%の自治体が授業時の通信環境に課題があると考えていることが、MM総研が2021年11月25日に発表した調査結果より明らかとなった。

事例 ICT活用
授業における1人1台端末の利用頻度(生徒数ベース) (c) 2021 MM Research Institute,Ltd.
  • 授業における1人1台端末の利用頻度(生徒数ベース) (c) 2021 MM Research Institute,Ltd.
  • 授業における1人1台端末の利用頻度向上にむけた課題認識(自治体数ベース) (c) 2021 MM Research Institute,Ltd.
  • 1人1台端末をすべてインターネット接続していく上での課題認識 (c) 2021 MM Research Institute,Ltd.
  • 学校のインターネット接続環境を改善するための予算の確保状況  (c) 2021 MM Research Institute,Ltd.
 授業でGIGAスクール端末を「毎日利用している」生徒は20%に留まり、44%の自治体が授業時の通信環境に課題があると考えていることが、MM総研が2021年11月25日に発表した調査結果より明らかとなった。

 「小中学校のGIGAスクール端末の利活用動向調査」は、市区町村に設置された教育委員会1,740団体を対象に実施し、1,136団体の回答を得た。今回は各自治体の教育委員会で、学校の教員等に対して利活用を推進する「指導主事」を主要なヒアリング対象者とした。調査時期は2021年10月。

 授業における1人1台端末の利用頻度(生徒数ベース)について聞いたところ、「毎日利用」と回答したのは20%。この他、「1週間に2~3回程度」が40%、「1週間に1回以下の頻度」3%、「把握していない等」が37%だった。

 上記の調査結果より、利活用度合いの向上に課題があると想定されることから、端末の利用頻度向上に向けた課題の有無を聞くと、「課題あり」と回答した自治体が63%にのぼった。具体的な課題としては、「教員のICTスキルに課題がある」が41%でもっとも多く、「教員の意識に課題がある」13%が続いた。

 また、授業等でGIGAスクール端末を一斉にインターネット接続する際の通信環境について、課題の有無を聞くと「課題あり」が44%という結果に。中でも、「特定の人数を超えて一斉に端末をネットワーク接続するとつながらない/つながりにくい」との回答が68%を占め、「校内や教室内で接続しにくい場所がある」23%、「教材サイト等に一斉にログインを行おうとすると、ログインできないことがある」14%等が続いた。

 しかし、こうした課題を改善するための予算の確保状況については、「予算化している」9%、「今後予算化を計画している」15%で、残る7割以上の自治体は予算化のめどすら立っていないことが明らかとなった。
《桑田あや》

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