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就職活動結果への納得感、自己効力感と相関

 自己効力感が高い人ほど、就職活動結果への納得感が高いことが、リンクアンドモチベーションの研究機関であるモチベーションエンジニアリング研究所が2021年11月9日に発表した調査結果より明らかとなった。

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「自己効力感」と「就職活動結果」との関係
  • 「自己効力感」と「就職活動結果」との関係
  • 「就職活動結果」の調査項目
  • 「他者の関わり度合い」の調査項目
  • 「他者の関わり度合い」と「自己効力感」との関係
  • 「就職活動結果への納得感」に関係する項目まとめ
 自己効力感が高い人ほど、就職活動結果への納得感が高いことが、リンクアンドモチベーションの研究機関であるモチベーションエンジニアリング研究所が2021年11月9日に発表した調査結果より明らかとなった。

 「就職活動結果と自己効力感の関係」に関する調査は、長いキャリアの中でも最初の入り口となる「学生の就職活動」に焦点をあてて実施。調査では、「就職活動結果」「自己効力感」「他者の関わり度合い」に関する項目をもとに、アンケートを行った。対象は、大学4年生・大学院2年生433名。調査期間は2021年7月末から8月中旬。

 なお、「自己効力感」とは、“課題達成に必要な行動を首尾よく行う能力の自己評価”と定義される概念であり、一般的に、特定の場面において一時的に影響を及ぼす「課題特異的自己効力感」と、特定の場面に関わらず日常生活全般で影響を及ぼす「一般性自己効力感」の2種類に分けられる。後者は、性格特性的な認知傾向とみなすことが可能であるとして、「特性的自己効力感」と呼ばれており、調査ではこれを“自己効力感”と定義して分析している。

 調査結果を分析したところ、「自己効力感」と就職活動の「第一志望内定率」に関しては、相関が見られなかった。一方、「自己効力感」が高い人ほど就職活動の「結果への納得感」が高く、一定の相関が見られた。

 また、「他者の関わり度合い」と「自己効力感」との関係についての分析では、「他者からの期待」と「自己効力感」に関して一定の相関が見られた。一方、「選択肢の提示」「挑戦機会の提供」「失敗へのフォロー」に関しては、「自己効力感」との相関が見られなかった。このことから、過去に「他者から期待」をかけられていた人や、「挑戦への後押し」をしてもらっていた人ほど「自己効力感」が高いことがわかった。

 リンクアンドモチベーションは調査結果を受け、「納得のいく就職活動をするためには、まず自己効力感を高めることが重要であり、その自己効力感を高めるために周囲ができる働きかけとして、『期待をかけてあげること』『挑戦することに対して後押しをしてあげること』が重要である」とまとめている。また、「自己効力感を高めることが、内定辞退の防止や入社後の定着化にも寄与する可能性がある」と分析している。
《桑田あや》

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