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オンライン授業、対面より理解しやすい44%…BBT大学調査

 文部科学省は「新型コロナウイルス感染症の影響による学生等の学生生活に関する調査」を実施。これを受け、オンライン・リカレント教育のビジネス・ブレークスルー大学(以下、BBT大学)は、コロナ禍におけるオンライン授業について実態調査を行なった。

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BBT大学 オンライン授業に関する実態調査
  • BBT大学 オンライン授業に関する実態調査
  • オンライン授業の良かった点
  • オンライン授業の悪かった点
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 文部科学省は「新型コロナウイルス感染症の影響による学生等の学生生活に関する調査」を実施。これを受けて、開学以来10年に渡って100%オンラインの授業を提供する、オンライン・リカレント教育のビジネス・ブレークスルー大学(以下、BBT大学)は、2021年6月6日~16日、コロナ禍におけるオンライン授業について実態調査を行なった。

 調査対象となったのは、BBT大学在学中で社会人を経験したことのない専業学生の199名で、インターネットにて回答を集計。回答率は35.2%で、有効回答は70。調査項目は、文部科学省の調査と同じ「オンライン授業の良かった点」「オンライン授業の悪かった点」「オンライン授業の満足度」「悩みの相談先として教職員や相談窓口を利用するか?」の4点。

 「オンライン授業の良かった点」について、BBT大学と文部科学省の調査結果では共通して「自分のペースで学修できる」「自分の選んだ場所で授業が受けられる」の2点が特に高い数値を示した。特にBBT学生は「自分のペースで学修できる」が94.3%と高く、オンライン授業のメリットを生かしている学生の多さがうかがえる。

 一方、「対面授業より理解しやすい」と回答した数値はBBT大学と文部科学省で大きく異なっており、BBT大学が44.3%なのに対して、文部科学省では14.7%となっている。学修において「理解しやすさ」は重要な課題なため、改善が不可欠である。

 「オンライン授業の悪かった点」の回答では、「友人と授業を受けられず寂しい」という点がオンライン授業の共通課題として浮かび上がる結果となった。BBT大学と文部科学省は共に50%前後を占めており、オンライン授業での対人関係は大きな課題となっている。

 対して「対面授業より理解しにくい」は文部科学省が42.7%、BBT4.3%となった。普段からオンライン授業を行っていたBBT学生に対して、元々通学制の授業を受けていた学生の半数がオンライン授業を理解しにくいと感じていることがわかった。

 「オンライン授業の満足度」において、「満足」と「ある程度満足」の回答合計は、文部科学省では約57%なのに対して、BBT大学では約90%であった。この大きな差を受けて、BBT大学ではインタビューを行なったところ、「対面授業は学校中心型の生活だが、オンライン授業は時間も場所も自由に選べるため、今までやろうと思わなかったことも挑戦できる」「オンデマンド授業には経営者の職員や社会人の同級生がいて、多くのことを学べる」といった、オンライン授業のメリットを最大限生かす方法を自ら開拓している回答が目立った。

 「悩みの相談先として学校の教職員や相談窓口を利用するか?」の調査結果は、文部科学省では約20%弱であるのに対して、BBT大学では約40%であった。この結果を受けて、大正大学地域構想研究所特命教授、朝日中退予防ネットワーク副委員長の山本繁氏は、「新型コロナウイルス感染症によって、いま大学生はさまざまな不安や危機に晒されている」とコメント。特に孤立感として、「さまざまな支援を受けにくいと感じている」という事実を述べている。そのうえで、今回の調査結果に対して「このような調査結果が出ていることは注目に値すると考えます」とコメントを寄せている。

 また、これら4項目の実態調査の結果を受けて、BBT大学の大前研一学長は「多くの大学は、非常事態なので『やむを得ずオンライン授業をやっている』という後ろ向きな対応をしている。対面授業をそのまま映像として流すようなやり方では効果は出ないのは当然だと考える」とコメント。そして、「『オンラインこそグローバル化、サイバー化時代の理想的学習環境』と考え、教授陣の再教育をやらない限り学生の満足度や理解度は上がらない。コロナが終結すれば元に戻りたい、と考えるのではなく、『いつでもどこでも自己研鑽ができる永続的なシステムを構築する』という発想の転換を是非成し遂げてもらいたい」とも述べている。

《高垣愛》

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