神奈川工科大学先進AI研究所の上田麻里准教授らは、音だけでカンニングを発見できるオンライン試験監視技術を開発した。研究成果は2021年7月3日開催の神奈川工科大学先進AI研究所ワークショップで紹介予定。 新型コロナウイルス感染症予防のため、多くの大学で授業や試験がオンラインで実施されている。これまでのオンライン試験では、教室で実施する試験のように人が監督できず、不正防止が課題となっていた。カメラによる監視では、死角が多く十分な監視が難しい。また、アメリカでは自宅が見られてしまうこと等からプライバシーも問題になっているという。 これらの問題を解決するため、神奈川工科大学先進AI研究所の上田麻里准教授らは、カメラを用いない「音認識」によるカンニング検知システムを開発した。このシステムは、試験環境で発生する音をディープラーニングにより学習させ、不正の疑いのある音を異音として検知する。 神奈川工科大学では現在、オンライン試験で「音認識」によるカンニング検知システムの試験運用をしている。同システムにより、不正行為に起因する音の検出が可能となった。また、学生へのアンケートの結果、音による監視により被監視感が強くなり、不正の抑制効果も大きいことが明らかになった。