コロナ禍により顔を合わせる機会が減る中、8割以上の保護者がオンライン授業と対面授業の両方を希望する一方、日常的な子供のコミュニケーションに不安を感じる保護者の約7割が対面でのコミュニケーションが苦手にならないかを心配していることが、イー・ラーニング研究所の調査で明らかになった。 「コロナ禍でのオンライン教育並びにコミュニケーションに関する調査」は、動画教育サービス「スクールTV」等を運営するイー・ラーニング研究所が2021年3月3日~26日にかけて、全国の20代~50代の子供のいる男女計409人を対象に行った。 まず、「新学期にあたり新しく準備したいと思ったITツールはあるか」との質問に、41%が「準備を検討している」と回答した。「どのようなITツールを準備したいか」では、「タブレット」が71%ともっとも多く、次に「タブレット用学習教材」が36%で続いた。 「対面授業とオンライン授業のどちらを子供に受けさせたいか」という質問では、「対面授業」は7%、「オンライン授業」は8%にとどまり、「両方」と回答する保護者が85%にのぼった。どちらか一方ではなく、両立した授業を希望していることがわかる。 一方、「オンライン授業に不安を感じるか」との質問では、47%と約半数の保護者が「感じる」と回答した。不安を感じる保護者に「どのような不安を感じるか」を聞いたところ、「集中力が続くのか」との回答がもっとも多く、「わからないまま進んでしまわないか」「子供の進捗に合わせた進行になるのか」が続いた。 「コロナ禍における日常的な子供のコミュニケーションに不安を感じることはあるか」との質問では、58%が「はい」と回答し、コミュニケーションにおける不安を感じる保護者は6割近くいることがわかった。 「どのようなことに不安を感じるか」を聞いたところ、「対面でのコミュニケーションが苦手にならないか」がもっとも多く、73%の保護者が不安に感じていた。また、「コミュニケーションを取る相手が限定されてしまわないか」「自分の考えを伝える力が身に付かないのではないか」を心配する回答も多かった。 イー・ラーニング研究所では、「実際に顔を合わせたコミュニケーション機会が減少する中で、学習だけでなく、コミュニケーションなどの将来的にも求められるスキルをどのように身に付けていくのかが問題になっている」とみている。