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宮城教育大と内田洋行、情報活用能力育成へ連携協定

 宮城教育大学と内田洋行は2021年3月31日、包括的事業連携協定を締結したと発表した。学習指導要領上で「基盤となる能力」と位置付けられている「情報活用能力」の育成・発揮に関する研究、教員養成・教員研修における学修環境の在り方の検討を推進していく。

事例 企業×学校
協定書に署名した宮城教育大学の村松隆学長(左)と内田洋行の大久保昇社長(右)
  • 協定書に署名した宮城教育大学の村松隆学長(左)と内田洋行の大久保昇社長(右)
  • 握手を交わす宮城教育大学の村松隆学長(左)と内田洋行の大久保昇社長(右)
  • 包括連携協定の概要
  • 宮城教育大学情報活用能力育成機構
  • 内田洋行教育総合研究所
 宮城教育大学と内田洋行は2021年3月31日、包括的事業連携協定を締結したと発表した。学習指導要領上で「基盤となる能力」と位置付けられている「情報活用能力」の育成・発揮に関する研究、教員養成・教員研修における学修環境の在り方の検討を推進していく。

 「情報活用能力」とは、児童・生徒が日常的にICTの基本的操作から情報の収集・整理・発信など主体的に選択し、活用していく力として、教科を越えた教育活動の基盤として育まれ活用される資質・能力。 4月以降、全国の小中学校には1人1台PCがGIGAスクール構想で導入され、ICTを活用した授業実践など、教職員側にもICT活用指導力の向上が求められている。

 宮城教育大学は、学習の基盤である情報活用能力を育成できる教員を養成することに責任を持つべく、2020年度に情報活用能力育成機構を設置。新学習指導要領で一層重視された情報活用能力について、教員養成段階での育成の在り方を研究し、これからの未来に生きる子どもたちが情報活用能力を発揮できることを目指している。

 一方、内田洋行は小中高大と教育ICTの環境づくりで先導的な役割を果たしている。また、内田洋行教育総合研究所は、情報活用能力育成についても研究を通じてさまざまな経験や知見を有している。

 今回、宮城教育大学と内田洋行が締結した包括的事業連携協定は、学習指導要領上で児童・生徒の「学習の基盤となる能力」と位置付けられ、重要視されている「情報活用能力」の育成・発揮に関する研究や、教員養成段階にある学生および教員研修における学修環境の在り方を検討することなどが目的。包括連携協定の有効期間は、2021年3月31日から2024年3月31日まで。

 情報活用能力の育成・発揮に関する研究では、情報活用能力の体系表(情報活用能力を体系的に整理したもの)に示された資質や能力を育成するための手法を検討。宮城教育大学の附属校などをフィールドとして内田洋行の商材を使用し、効果を検証するほか、客員研究員として内田洋行教育総合研究所の人員受入れなども想定している。

 教員養成・教員研修における学修環境の在り方の検討では、宮城教育大学の構内に「未来の学修空間」(仮称)を設置。教員養成や教員研修における実証研究の実施、教員養成・教員研修プログラムの共同開発などを計画している。

 宮城教育大学では、情報活用能力の知見に長けた民間企業のノウハウを取り入れることで、情報活用能力そのものの研究のみならず、それに適したICT環境や、それらを活用した指導手法等の開発を行うことが可能となる。内田洋行は、情報活用能力育成に関する実証的なデータを得ることで、製品開発に反映させることができるという。

 3月31日に宮城教育大学会議室で調印式が行われ、宮城教育大学学長の村松隆氏と内田洋行代表取締役社長の大久保昇氏が協定書に署名した。調印式で、大久保社長は「宮城教育大学との連携により、情報活用能力、情報活用能力の体系、学修環境について期待している。この連携が、東日本大震災の復興に向けた人材育成にも役立てば」とあいさつ。

 村松学長は「東北で唯一の国立教員養成大学として56年の歴史を持つ宮城教育大学大学が、学習の基盤としての情報活用能力の育成・発揮にコミットすることは使命の1つと言えると思う。プログラミングやデータサイエンス・AIなどアップデートされていく情報活用能力には、それに応じた学修環境が欠かせない。内田洋行と本学の強みを生かしてていけるこの取組みに大いに期待している」と語った。
《奥山直美》

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