「登下校」か「放課後や休日」で対応が異なる
子どもの交通マナーについて学校に苦情が入ることがあります。2020年10月に「通学路指導に教員が立番すべき?」という記事で子どもの登下校と教員の役割について書きました。今回はもう少し幅広く、子どもと交通マナーについて話題にしていきたいと思います。
近所の方などから学校に子どもの交通マナーのことで苦情が入った際は、その状況によって対応が違ってきます。それは、「登下校」なのか、それとも「放課後や休日」なのかということです。登下校であれば、学校の関わりが強くなります。休日や放課後であれば、学校よりも家庭の関わりが強くなります。どちらにせよ、交通マナーの悪さは交通事故の危険性も高まります。そういったことを意識し、対応することが大切となります。
子どもの交通マナーと学校の関わりに関しては、学校保健安全法で「登下校」に関することが定められています。第27条、第30条で学校の果たすべき役割として「登下校の際の交通ルールを教えること、警察や保護者と連携すること」とされています。そういったことから、登下校の安全指導などに教師が直接立つことなどは学校の役割でないということを前回の記事で書きました。
ただ登下校の場合、学校は「交通ルールを教えること」とされています。子どもの登下校に問題があれば、その状況に応じた対応が求められます。具体的には、問題がある子どもたちが特定できるならば、そういった子どもを集め指導することなどです。特定できない場合は、朝会などの場で、全体に向けて指導をすることなどになるでしょう。
交通マナーに関する内容が、休日や放課後のことの場合、それは学校よりも家庭で保護者が関わることになっていきます。また、それが地域全体の問題であれば、自治会のようなもので議論すべきこととなります。道路の作りが悪いことが原因になっているようなケースであれば、道路を管理する自治体や警察などと相談すべき内容となってきます。苦情を伝えてきた方にそういったことを伝えていくと良いでしょう。
その場で指導することが効果的
そういったことと共に地域の方に何か問題があった際は「その場で声掛けをしてほしい」という依頼をすることも良いでしょう。今回のテーマである交通マナーだけではないのですが、子どもが何らかの問題行動があった際は、その場で指摘し、指導することが効果的です。これは私も学級経営で心掛けていたことでした。
たとえば、学校外の交通マナーの悪さに関しての場合、その場を逃すと、誰がやっていたのかを特定することが大変になります。当事者が誰なのかがわからないまま、先ほども書いたように朝会などで他の子どもも含めた多数の子どもに向けて指導をすることになります。そういった指導はどうしても焦点が絞れず、教育効果も上がらない(問題行動がまた繰り返される)ことが多くなります。それなので、その場で関わることの教育効果の高さを伝え、できる範囲で気付いた時に声掛けをしてほしいと地域の人へ協力を求めると良いでしょう。