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日本学術会議、学習データ利活用のあり方を提言

 日本学術会議は2020年9月30日、「教育のデジタル化を踏まえた学習データの利活用に関する提言―エビデンスに基づく教育に向けて―」を発表した。学習データ利活用の現状や問題点を示し、制度設計や人材育成など4つの視点からあり方を提言している。

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提言の概要(実施時期は2020~2030年度を想定)
  • 提言の概要(実施時期は2020~2030年度を想定)
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 日本学術会議は2020年9月30日、「教育のデジタル化を踏まえた学習データの利活用に関する提言―エビデンスに基づく教育に向けて―」を発表した。学習データ利活用の現状や問題点を示し、制度設計や人材育成など4つの視点からあり方を提言している。

 「教育のデジタル化を踏まえた学習データの利活用に関する提言―エビデンスに基づく教育に向けて―」は、日本学術会議心理学・教育学委員会・情報学委員会合同教育データ利活用分科会の審議結果を取りまとめて公表したもの。

 心理学・教育学、情報学の立場から、「学習データの種類と教育改善のための利用」「学習データを収集・利活用するための制度設計」「学習データを収集・利活用するための情報環境の整備」「学習データを収集・利活用するための人材の育成」の4点にまとめている。なお、今回の提言は1人1台の情報端末や学習支援システムなどを用いて蓄積される学習データに限定したもの。教育活動全般で利用される広範な教育データの取扱いについては、慎重に議論を深め、継続して検討する必要があるとしている。

 「学習データの種類と教育改善のための利用」では、学習データを収集する対象について、「小学校・中学校・高等学校・大学・大学院などの公的教育機関から始め、自らの教育改善に利活用できるようにするべき」と提言。教育機関が所属する法人格(地方自治体、大学法人、学校法人など)ごとに個人情報保護に配慮して適切に処理し、国全体で収集して利活用する必要性を指摘している。

 「学習データを収集・利活用するための制度設計」では、学習データの共有や利活用を促進するためには、データの書式や意味(言葉や数字の解釈)の標準化、学習要素のID化や、授業計画・設計や教育評価などで使う用語の統一が必要であると説明。デジタル教科書やデジタル教材を授業内・外、オンライン・オフラインを問わず、授業改善のために十分利用・分析できるようにするため、教科書制度や著作権法の見直しも提起している。

 「学習データを収集・利活用するための情報環境の整備」では、学習プロセスデータを効率的に収集するため、1人1台の情報端末を教室内外で制限なく常時使える環境を整える必要性を指摘。情報モラル教育や情報セキュリティ教育の提供、学習者の健康やメンタル面への配慮も提言している。

 「学習データを収集・利活用するための人材の育成」については、教員が最低限、データを活用した教育を理解するため、現職教員が新たに学ぶためのシステム構築を提言。大学の教員養成課程において、学習データを利活用したカリキュラム・授業・評価の設計・実施の方法を教えていく必要もあるとした。
《奥山直美》

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