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文科省「学校の新しい生活様式」改訂…消毒方法やマスク着用

 文部科学省は2020年6月16日、学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル「学校の新しい生活様式」を改訂した。最新の知見に基づき消毒の方法、マスク着用の考え方などについて追記しており、学校への周知を求めている。

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 文部科学省は2020年6月16日、学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル「学校の新しい生活様式」を改訂した。最新の知見に基づき消毒の方法、マスク着用の考え方などについて追記しており、学校への周知を求めている。

 「学校の新しい生活様式」は、「新型コロナウイルス感染症に対応した持続的な学校運営のためのガイドライン」の考え方に基づき、学校の衛生管理に関する具体的な事項をまとめたマニュアル。5月22日に発出し、6月16日時点での最新の知見に基づき改訂した。

 改訂版のマニュアルでは、消毒について「消毒できるものについては消毒を行い、使用後は手洗いをするように指導する」と記載。物の表面の消毒には、消毒用エタノールや0.05%の次亜塩素酸ナトリウム消毒液を使用するとし、新型コロナウイルスに対して効果が確認された一部の界面活性剤の成分を含む家庭用洗剤を用いることも有効と説明。市販の漂白剤や家庭用洗剤を使った消毒液の作り方も紹介している。

 次亜塩素酸水については、「次亜塩素酸ナトリウムとは異なる」と明記したうえで、効果について現時点では結論が出ていないと指摘。健康面でさまざまな配慮が必要な児童生徒もいることから、次亜塩素酸水の消毒目的での噴霧は、学校医や学校薬剤師などから専門的な助言を得ながら、必要性や児童生徒などに与える健康面への影響について十分検討するよう求めている。

 また、次亜塩素酸ナトリウムの噴霧は、吸ったり目に入ったりすると健康に害を及ぼす可能性があるため、絶対に行わないよう要請。エタノールや次亜塩素酸ナトリウムを使用する際の注意点なども示している。

 学校教育活動における児童生徒・教職員のマスク着用については、「基本的には常時マスクを着用することが望ましい」との考えを示したうえで、「十分な身体的距離が確保できる場合」「熱中症などの健康被害が発生する可能性が高いと判断した場合」「体育の授業」については、マスクを着用する必要はないと記載。児童生徒が暑さで息苦しいと感じたときなどには、マスクを外したり、一時的に片耳だけかけて呼吸したりするなど、児童生徒が自身の判断でも適切に対応できるように指導することも求めている。

 マニュアルの改訂については、6月16日付で都道府県・指定都市教育委員会など全国の学校設置者に通知。学校現場へ周知し、マニュアルの内容によって感染症対策に努めるよう依頼している。
《奥山直美》

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