日本HPは2026年6月18日、文部科学省が推進する高等学校教育改革「N-E.X.T.ハイスクール構想」に対応したICT製品および高性能ワークステーションの提供を開始し、教育市場での事業を強化すると発表した。高校や地方自治体を対象に、遠隔・ハイブリッド授業環境の整備と理数系人材育成のための高度学習環境の構築を支援する。
「N-E.X.T.ハイスクール構想」は、文部科学省が2040年を見据えて策定した高校教育改革で、基本方針は2026年2月13日に公表された。生徒ひとりひとりの多様な学びを支えながら、社会を支える人材を育成することを目的としている。
同構想では、2040年には産業構造や社会システムの変化による労働力需給ギャップが生じ、エッセンシャルワーカーや理系人材の不足が懸念されるとしている。また、少子高齢化や生産年齢人口の減少、地方の過疎化が深刻となり、公立高校が減少することで、地理的アクセスが制限された中での多様な学びの確保が重要になると説明している。
教育現場にICTを導入する際に重要なのは、優れた機能が利用できるだけでなく「現場で無理なく運用できること」だと日本HPは指摘する。学校では教員のICTスキルや準備時間に限りがあり、複雑な機材や運用負荷の高い仕組みは定着しづらいという課題がある。遠隔授業では機材の設定やトラブル対応が教員の負担となりやすく、本来注力すべき授業そのものに支障が出るケースもある。こうした背景から、ICT導入による教員のさまざまな負担を削減するとともに、機材を安定的に使える体制を整えることが現場の課題となっている。
日本HPが提供する「HP Poly Studio Xシリーズ」は、カメラ・マイク・スピーカーを一体化したオールインワン設計のビデオバー。複雑な準備や設定を必要とせず、ワンタッチですぐに授業を開始できるシンプルさを実現しており、教員は機材操作に煩わされることなく授業に集中できるという。
教室全体を高精細に捉える映像技術と、離れた場所の声までしっかり拾う高性能な音声技術により、リモートから授業に参加している生徒にも臨場感のある学習体験を提供する。先生の動きにあわせた自動追尾や、発言者を自然に映し出す機能により、対面に近いコミュニケーションを実現する。
教室の広さに応じた豊富なラインアップも特徴で、光学PTZカメラのPoly Studio E60や高性能マイクのPoly Studio A2マイクを組み合わせることで、大教室でも教員や生徒の動き・表情を高精細に捉えられる。
製品価格例(5年間保守付き、税込の参考価格)は、小規模教室向け「Poly Studio X32」が約91万円から、中規模教室向け「Poly Studio X52」が約128万円から、大規模教室向け「Poly Studio X72」が約192万円から。
日本HPは、独自の統合プラットフォーム「HP Workforce Experience Platform(WXP)」を通じて、PCや周辺機器、教室に設置されたカメラ・マイク・スピーカーなどPolyデバイスの状態を遠隔から把握・管理できる仕組みを提供する。トラブルの早期検知やソフトウェア更新、利用状況の分析にも活用できる。
さらに「Poly+」サポートにより、専門サポートチームによる対応や先出し機器交換対応を通じて、万が一のトラブル時にも教育活動を止めない体制づくりを支援する。WXPによる統合管理、「HP Poly Studio(旧 Poly Lens)」によるデバイス管理、Poly+によるサポートを組み合わせることで、教員に負担をかけず、人に依存しない安定した運用が可能になるとしている。
「N-E.X.T.ハイスクール構想」の3つの柱の1つである「産業イノベーション人材育成等に資する高等学校教育改革推進事業」を支援するため、日本HPはAI・データサイエンス・高度理数教育の強化に対応したソリューションの提供も開始した。
世界中のさまざまな教育機関や研究機関で導入実績をもつHP AI Workstation(Zシリーズ)、GPU搭載PCのHP ZBook/HP Z Desktop、AI開発・データ分析環境で構成されており、「生徒による画像認識モデル開発(HP AI Workstation)」「数理データ分析・シミュレーション授業」「生成AIを活用した課題解決型学習」「理化学系の3D解析・研究用途」などの高度理数授業の展開が可能。
ワークステーション製品価格例(税込の参考価格)は、AIリテラシー向上/バイブコーディング向け「HP Z2 Tower G1i Workstation」が118万630円から、STEAM教育/データサイエンス/3D制作探究向け「HP Z2 Mini G1a Workstation」が76万3,400円から、ローカル生成AI基盤向け/理数探究「HP ZGX Nano G1n AI Station」が99万8,800円から。詳細は問い合わせが必要。
日本HPでは「N-E.X.T.ハイスクール構想」向け製品の選定・採用を検討している教育機関・自治体向けに、特設サイトおよび相談窓口も開設している。







