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「朝の小1の壁」解消へ…九都県市首脳会議、国に要望書提出

 埼玉県は2025年11月10日、「朝の小1の壁」解消に向け、九都県市首脳会議での合意に基づき、代表して国へ要望書を提出した。朝の登校時間と保育所などの預かり時間との差が保護者の就労等に影響を及ぼしている点を踏まえ、企業の働き方改革の一層促進と国による財政措置を求めた。

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九都県市首脳会議「『朝の小1の壁』の解消について」に係る要望書を提出
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  • 要望書
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 埼玉県は2025年11月10日、「朝の小1の壁」解消に向け、九都県市首脳会議での合意に基づき、代表して国へ要望書を提出した。朝の登校時間と保育所などの預かり時間との差が保護者の就労等に影響を及ぼしている点を踏まえ、企業の働き方改革の一層促進と国による財政措置を求めた。

 「朝の小1の壁」とは、小学校入学を控えた子供をもつ保護者が、保育所の預かり開始時間と小学校の登校時間の差異によって、仕事の変更や家族の負担を強いられる状況を指す。実際に国が2024年度に実施した「こどもの居場所に関する調査」では、学校がある日の朝に「子供が1人で過ごしており、不安がある」と回答した割合が3割弱にのぼっている。

 この課題に対し、埼玉県を代表とする九都県市(埼玉・千葉・東京・神奈川・横浜市・川崎市・千葉市・さいたま市・相模原市)は、国に対して要望書を提出。要望書では、「朝の小1の壁」を社会全体で取り組むべき課題として国が明確に打ち出し、企業における働き方改革をさらに促進させる取組みを推進すること。さらに、各自治体が「朝の小1の壁」解消に向けた事業を実施する際、安定的に実施できるよう、十分な財政措置を講ずることの2点が示された。

 要望書は、埼玉県知事の大野元裕氏が、内閣府特命担当大臣(こども政策・少子化対策)の黄川田仁志氏に手渡した。提出は11月10日午後5時15分から5時20分にかけて行われた。

 政府は「こどもまんなか実行計画2025」に基づき、妊娠・出産から子育て期まで切れ目のない支援体制の構築を進めている。今回の要望書では、企業の柔軟な働き方改革の促進を明記するなど、教育・福祉・労働の各分野を横断する政策課題を、社会全体の制度改革に押し上げる動きとして注目される。

《川端珠紀》

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