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文科省、通学路の交通安全確保の徹底を要請…下校中の交通事故を受け

 文部科学省は2025年6月27日、全国の教育委員会や学校設置者などに向けて、交通安全の確保の徹底についての事務連絡を出した。警察、道路管理者とのさらなる連携・協力や、地域全体で児童生徒などを見守る体制の一層の強化を求めている。

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通学路における交通安全の確保に向けた取組状況
  • 通学路における交通安全の確保に向けた取組状況
  • 通学路における交通安全の確保に向けた取組状況(都道府県別内訳)

 文部科学省は2025年6月27日、全国の教育委員会や学校設置者などに向けて、交通安全の確保の徹底についての事務連絡を出した。警察、道路管理者とのさらなる連携・協力や、地域全体で児童生徒などを見守る体制の一層の強化を求めている。

 2025年5月には、大阪市西成区、埼玉県三郷市、福岡県筑紫野市において下校中の児童に車が衝突する交通事故が立て続けに発生するなど、依然として登下校中の児童生徒などが被害に遭う交通事故が発生している。

 2021年6月、千葉県八街市において下校中の児童の列にトラックが衝突、5名が死傷する痛ましい事故を受け、2023年度末までに暫定的な安全対策を含め、すべての対策必要箇所において、安全対策が講じられた。

 2025年3月末現在、通学路における交通安全の確保に向けた取組は、全体で7万6,404か所の対策必要箇所のうち7万3,621か所(96%)、教育委員会・学校の対策必要箇所については、4万1,770か所のうち4万1,749か所について対策が講じられている。

 教育委員会・学校においては、直近では21か所について暫定的な安全対策を講じているが、引き続き、必要な対応が取れるよう、警察、道路管理者とのさらなる連携・協力を要請している。また、地域住民などの協力を得るためにも、推進体制の構成および基本的方針(通学路交通安全プログラム)の内容、合同点検によって抽出した対策必要箇所(対策箇所図および対策一覧表)などについて、Webサイトなどで公表するようあらためて求めている。

 各都道府県私立学校主管課、附属学校を置く各国立大学法人などに対しては、教育委員会と連携しつつ、管下の学校および所轄の学校に対し、推進体制に積極的に参画し通学路の安全確保の取組を進めるよう働きかけを求めている。児童生徒に対して、自らの交通ルール遵守はもちろんのこと、周囲の状況に注意して通行する必要があることを指導するとともに、保護者や地域ボランティアなどが共通理解を図り、効果的な見守り活動が実施されるようにするなど、一層の交通安全確保の取組推進を求めている。

 文部科学省では、毎年度「学校を核とした地域力強化プラン」において、「地域ぐるみの学校安全体制整備推進事業」を実施し、スクールガード・リーダーの育成やその活動の支援、スクールガード養成講習会の開催に係る経費の補助を実施。この事業を活用し、地域全体で児童生徒などを見守る体制の一層の強化を求めている。

《中川和佳》

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