あべ文部科学大臣は2025年6月6日の記者会見で冒頭、研究力強化に向けて東京科学大学を視察したと報告した。また東北大が300億円を投じて計画する研究者受け入れについて評価するとともに、5日時点で約90大学が米国大で学ぶ留学生の受け入れや奨学金などの支援策を決めたと発表した。
視察では東京科学大学の田中学長から研究力強化に向けた大学の取組みについて説明を受け、米国政権の動向を踏まえた海外研究者の受け入れについて意見交換を行った。共用機器を中心とした研究環境の構築、高い技術をもつ技術職員の育成、若手研究者が独創的な研究課題に取り組める場の確保などの取組みを視察し、関係者との意見交換を通じて研究環境の重要性を実感したという。
海外研究者の受け入れについては、文科省としてこれまでも大学ファンドを通じた国際卓越研究大学への支援等を進めてきたが、6月4日に石破総理から国際頭脳循環の取組強化について検討指示があり、各大学の取組みも踏まえてさらなる検討を早急に進めるよう指示したと述べた。
国際卓越研究大学の唯一の認定校である東北大学が計画するトップレベルの研究者受け入れについては、国際的に卓越した研究者の獲得方策を含めて我が国の学術研究ネットワークを牽引し、諸外国のトップレベル研究大学に伍する研究大学となるための活動を推進していただきたいと期待を表明した。
米国大で学ぶ留学生の支援策については、6月5日時点で約90大学から正規・非正規としての留学生受け入れや奨学金提供等の支援策について回答を得たと発表。国内の各大学の取組情報については、日本学生支援機構のWebサイトに掲載を予定しているという。