河合塾による教育関係者のための情報サイト「Kei-Net Plus」は、2025年度入試「主要私立大学志願状況レポート」を掲載した。私立大学一般選抜の志願者数は、全体で前年度比107%と大きく増加。「早慶上理」「MARCH」「関関同立」の13大学では、上智大学以外の12大学で志願者を増やした。
2025年度入試「主要私立大学志願状況レポート」は、「私立大志願状況」と「主要私立大学 大学別志願状況」で構成。2025年3月14日時点まで判明分の私立大学一般選抜の志願者数を集計している。なお、志願者数が未公表・確定前の方式は集計対象外。
「私立大志願状況」は、全国の私立大学179大学を集計。私立大学一般選抜の志願者数は、全体で前年度比107%と大きく増加した。大学グループ別に前年度の志願者数と比較すると、「早慶上理」106%、「MARCH」107%、「日東駒専」110%、「関関同立」105%、「産近甲龍」108%など。
河合塾では、「難関大・有名大などを中心に幅広く出願した受験生が多かったものとみる」と分析。国公立大学と同様、東西とも最難関よりその下の大学グループで増加率が高く、方式別では共通テスト方式で増加率の高さが目立った。
一方、「主要私立大学 大学別志願状況」は首都圏・近畿の主要私立大学13大学について、2025年度一般選抜の志願状況を大学別にまとめたもの。集計対象は、早慶上理、MARCH、関関同立。
早慶上理のうち、早稲田大学は大学全体の志願者数が前年度比107%の9万5,938人と大きく増加。2025年度は入試変更が盛んで共通テストを必須化する学部もあったが、高い人気を維持した。特に政治経済学部が前年度比143%、スポーツ科学部が前年度比141%と大きく増加した。
慶應義塾大学も、大学全体の志願者数が前年度比107%の4万132人と大きく増加した。学部別では、医学部と薬学部を除く全学部で志願者が増加。志願者減が続いていたSFCにある総合政策学部と環境情報学部も増加に転じた。
上智大学は、大学全体の志願者数が前年度比98%の2万9,096人で、早慶上理の中で唯一志願者が減少した。方式別では、共通テスト方式で志願者が減り、特に共通テストのみの方式(3教科型・4教科型)で減少が目立った。
東京理科大学は、大学全体の志願者数が前年度比109%の5万7,039人と大きく上昇。方式別では、共通テスト方式で前年度比115%と増加が目立った。学部別でみても、全学部で志願者が増加した。
MARCHは、5大学すべてで志願者が増加。各大学全体の志願者数は、明治大学が11万4,821人(前年度比106%)、青山学院大学が5万672人(前年度比108%)、立教大学が6万2,829人(前年度比111%)、中央大学が7万1,957人(前年度比111%)、法政大学が10万5,107人(前年度比103%)となった。立教大学は4年ぶりの志願者増。前年度から1割以上増加した中央大学は、前年度入試で志願者が減少した反動と分析している。
関関同立でも、4大学すべてで志願者が増加した。各大学全体の志願者数は、関西大学が7万8,183人(前年度比110%)、関西学院大学が5万4,227人(前年度比106%)、同志社大学が5万2,729人(前年度比103%)、立命館大学が8万8,733人(前年度比102%)。近年志願者の減少が続いていた関西大学は、学部新設などの影響で志願者増に転じた。関西学院大学は、地方試験会場を拡大した一般方式を中心に志願者が増えた。