学研ホールディングスは2025年3月17日、日本生命保険が幹事社となり組成する「保育イノベーションコンソーシアム」に参画し、保育業界全体の課題解決を推進するための活動を開始した。コンソーシアムには、学研ホールディングスのほか、ライク、ニチイ学館、グローバルキッズ、ニッセイ情報テクノロジーなども参加。今後も全国の保育事業者や自治体の参加を呼びかけ、保育業界全体の持続性向上とさらなる発展を目指す。
保育業界では、保育士不足やDXの遅れにより現場業務がひっ迫している。このため、IT化による保育士の負荷軽減を含む保育事業環境の改善が求められている。コンソーシアムは、保育事業者単独では実現が困難な課題の解決に向けた施策を共同で実施し、保育業界全体の持続性向上と発展に貢献することを目指している。
コンソーシアムのおもな推進内容としては、ライクと共同で開発するシステムの導入促進による業務効率化支援、共同調達のコスト削減による保育所経営の安定化支援、人材シェアリングスキームの構築、保育士魅力向上施策の検討・推進があげられる。また、行政への申請手続きや職員処遇、配置基準、補助金などの各観点での改善要望を取りまとめ、こども家庭庁への働きかけを行う。
学研グループは、コンソーシアム参画によって、保育用用品や幼児教室など、保育の付加価値化につながる商品やサービスの導入を進める。また、保育士の離職防止や育成に寄与する仕組み化も推進する。
学研ホールディングスは1946年創業の教育・医療福祉関連事業を展開する持株会社。教育分野では「学研教室」を始めとする教室・学習塾事業や学習教材の出版コンテンツ事業、医療福祉分野ではサービス付き高齢者向け住宅事業や認知症グループホーム事業、保育園・学童などの子育て支援事業を展開している。グローバル150か国以上で教育・医療福祉に関わる活動を行っており、2024年9月期の売上高は1,855億円、連結子会社は79社である。