文部科学省の盛山正仁大臣は2024年8月27日、夏休み明けの子供たちに向けたメッセージ「~不安や悩みがあったら話してみよう~」を公表した。小学生~大学生、保護者・学校関係者に向けて、不安や悩みを1人で抱え込まず、身近な人に相談するよう、また注意して見守るよう呼びかけるとともに、相談窓口を紹介している。
厚生労働省・警察庁の統計によると、2023年の児童生徒の自殺者数は過去最多だった2022年の514人につぐ513人となり、憂慮すべき状況が続いている。特に高校生女子の自殺者数が大きく増加。2024年は、1月から5月までの暫定値で182人(前年同期186人)という状況にある。
児童生徒等の自殺者数は、特に長期休業明けに増える傾向にあることから、文部科学省の盛山大臣は8月27日、夏休みが明けた「小学生」「中学生・高校生」「学生等」および、子供に関わる「保護者や学校関係者等」に向けて、「不安や悩みがあったら相談しよう」と伝えるメッセージを出した。
メッセージでは、悩みや不安があるときには、1人で抱え込まず、家族や先生、友達、スクールカウンセラーなど、身近な人や信頼できる人に話してみてほしいと呼びかけている。周りの人に相談しづらいときに、電話やメール、ネットなどを使って相談できる窓口も紹介。
「誰かに相談することは決して恥ずかしいことではなく、生きていくうえでとても大切なこと」との想いを伝えたほか、「あなたの周りに元気がない友達がいたら、積極的に声をかけてあげてください」とも記している。
子供のSOS相談窓口をまとめたWebページでは、通話料無料の24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)をはじめ、SNSの相談窓口や地元の相談窓口なども紹介。チャットボットで相談することもできる。
また、保護者や学校関係者等に向けたメッセージでは、子供の態度に現れる微妙なサインに注意を払い、子供たちの不安や悩みの声に耳を傾けるよう促している。子供の態度に現れる微妙なサインについては、「これまでに関心のあった事柄に対して興味を失う」「成績が急に落ちる」「注意が集中できなくなる」「身だしなみを気にしなくなる」「健康管理や自己管理がおろそかになる」「不眠、食欲不振、体重減少などの身体の不調」を例にあげている。