文部科学省は20204年8月23日、いじめに対する教職員の研修動画教材「ネットいじめ研修~全体編~」を公開した。児童生徒を取り巻くICTやネットいじめの状況、対策などについて、教職員向けの研修動画にまとめている。
文部科学省の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」では、いわゆるネットいじめを「パソコンや携帯電話等で、ひぼう・中傷や嫌なことをされる」と定義したうえで分類しており、2022年度(令和4年度)の調査結果では、2万3,920件と過去最多を記録した。
2023年度(令和5年度)からは、いじめの重大事態について国への報告を求めることになっており、その調査報告書の分析等を通じて、分析対象とした重大事態150件のうち28件でネットいじめが確認されているなど、深刻な状況にある。
そのため、文部科学省は今回、いじめに対する教職員の研修動画教材を作成した。講師は、兵庫県立大学環境人間学部の竹内和雄教授。「ネットいじめ研修~全体編~」と題して、子供たちをめぐる社会背景やICTの状況、新しい時代のいじめ、いじめっ子の理解、いじめ対策などを約55分の動画にまとめている。
研修動画の視聴にあたっては、より主体的に考えてもらうために2~3人で1組のペアを組んで参加してもらう形式を取っている。文部科学省では、各学校の状況を踏まえて活用してほしいとしている。
研修動画教材は、文部科学省の公式YouTubeチャンネル「mextchannel」から視聴できる。文部科学省のWebサイトでは、YouTubeチャンネルへのリンクのほか、関連資料として動画の資料もPowerPoint形式で公開している。