生徒の将来を見据えた時に、約9割の教員がオフィスソフトの学習を重要視していることが2024年6月18日、キングソフトが発表した調査結果から明らかとなった。一方、普及が進む「Chromebook」導入校では「オフィスソフト使用の機会がない」といった懸念が聞かれた。
「教育現場のPC・タブレット導入に関する実態調査」は4月12日~13日、GIGAスクール構想により1人1台端末を実現した公立学校の教員101人を対象に実施した。
児童・生徒向けの導入端末は、1位「Chromebook」41.6%、2位「iPad」34.7%、3位「Windows PC」28.7%。児童・生徒が使っているグループウェアは、「Chromebook」導入校では「Google Workspace」が54.8%で最多。「Windows PC」導入校では「Microsoft 365」が62.1%、「iPad」導入校では「Google Workspace」が51.4%を占め、もっとも多かった。
「生徒の将来を見据えた時に、オフィスソフトの操作を学習しておくことが重要だと思いますか?」という設問には、「非常にそう思う」30.7%、「ややそう思う」56.4%をあわせ、約9割の教員が重要と回答。その理由は、「将来的に多くの職場でオフィスソフトのスキルが必要とされるから」78.4%、「社会に出たときに即戦力となるための準備になるから」48.9%、「表計算ソフトの利用などを通じ情報処理やデータ分析/活用の能力が養われるから」44.3%と続いた。
端末のうち、普及が進む「Chromebook」は、「シンプルで起動が早い」という点が59.5%と高く評価されている一方で、38.1%が「自身が慣れ親しんでおらず、児童・生徒に教えにくい」と回答。操作の習得が課題となっていることが明らかとなった。また教員の33.3%は「WindowsやMac特有のアプリが使用できない」、26.2%は「オフィスソフトを使用する機会がない」といった点を指摘。自由回答では「縦書きの日本語入力ができない」といった声もあがっている。
キングソフトのクラウド型オフィスソフト「WPS Cloud」では、文書作成、スライド作成、表計算、PDF編集機能をインターネット環境であれば、どこからでも同時に共同編集が可能。法人利用では、組織管理コンソールで各種設定を管理者が一元管理でき、組織活用を快適かつ安全なものにできるという。またGIGAスクール構想に対応する教育機関向けの開発を進めており、今夏にリリース予定としている。