札幌市立中学校において、個人情報の不適切な取り扱いが判明した。札幌市教育委員会は2024年5月24日付けで「学校外への流出やSNS等での拡散は現時点では確認されていない」と公表。しかしながら、NHKなど一部メディアが6月6日付けで該当の個人情報とみられる画像がネット上に流出していることが判明したと報じている。
札幌市教育委員会によると、個人情報の不適切な取り扱いは、札幌市立あいの里東中学校で4月10日に発生。個人情報の記載された学級編制に係る資料が綴じられたファイルを教諭1名が体育館内のステージ上演台に置き忘れたという。
その後、4月18日に「子供が1学年生徒の個人情報が記載されている資料を体育館ステージ上で見たと話している」との保護者からの連絡により置き忘れが発覚。当該ファイルを発見し、同日回収した後、資料を閲覧した可能性のある生徒79名に聞き取りを実施した。
資料に記載されていたのは、2024年度の1学年の生徒267名の氏名、性別、学習の状況、友人関係、家族状況、学校生活における配慮事項など。調査は5月20日に終了。複数名の生徒が資料を閲覧したことを確認し、学校外への流出やSNS等での拡散はその時点ではないことを確認したという。
札幌市のWebサイトでは5月24日付けの報道発表資料以降、情報が更新されていないが、NHKなど一部メディアが続報を報じた。NHKのWebニュースによると、6月5日になって生徒が撮影したとみられる個人情報が記載された資料の画像がX(旧Twitter)上に流出していることが判明。流出した画像には、特定の生徒について「低学力」や「周りから嫌われている」などと書かれた内容も写っていたという。
札幌市教育委員会は、今回の事態について「不適切な取り扱いにより、生徒、保護者の皆さまに不安感や不信感を与えてしまったことに対しまして、深くお詫び申し上げます」と陳謝。個人情報の適正な取り扱いについて、より一層の徹底を図っていくとしている。なお、本件について、生徒への取材等については最大限の配慮をしてほしいと報道機関各社にあててお願いしている。