文部科学省は2024年3月25日、新時代に対応した高等学校改革推進事業(普通科改革支援事業)の2024年度採択校を発表した。申請のあった10校の中から、狭山高等学校(大阪府)、尼崎高等学校(兵庫県)など全7校が指定された。
高等学校には、義務教育段階において育成された資質・能力をさらに発展させながら、生徒の多様な能力・適性、興味・関心などに応じた学びを実現することが必要と考えられている。2021年1月の中央教育審議会答申などにおいては、新時代に対応した高等学校教育などの在り方について、高校生の学習意欲を喚起し、可能性および能力を最大限に伸長するための各高等学校の特色化・魅力化や、教科等横断的な学習の推進による資質・能力の育成が提言された。
これを踏まえ、2021年3月に公布された学校教育法施行規則等の一部を改正する省令等では、高等学校などの特色化・魅力化に向けて「普通教育を主とする学科」として「学際領域に関する学科」や「地域社会に関する学科」など普通科以外の学科(以下、新学科)が設置可能となった。
文部科学省では、2022年度より新学科の設置に向けた検討などを行う高等学校などを指定。2024年度の指定校については、2024年1月22日~2月20日に公募を実施し、あわせて10件の申請を受け付けた。その後「新時代に対応した高等学校改革推進事業企画評価会議」において、事業の審査要項および審査基準に基づいて審査を行った結果、2024年度の対象となる「普通科改革支援事業指定校」が決定した。
2024年度指定を受けたのは、中新田高等学校(宮城県教育委員会)、日星高等学校(学校法人聖ヨゼフ学園)、狭山高等学校(大阪府教育委員会)、伊丹高等学校(伊丹市教育委員会)、尼崎高等学校(兵庫県教育委員会)、淡路三原高等学校(兵庫県教育委員会)、津和野高等学校(島根県教育委員会)の7校。
指定された高等学校などにおいては、今後特色化・魅力化を実現するためのカリキュラム開発や実施体制の開発など、普通科改革の実現に資する先進的な取組みに係る調査研究により、新しい時代の高等学校改革の推進が期待される。