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リカレント教育、大学26%が実施…eラーニング戦略研究所調査

 デジタル・ナレッジが運営するeラーニング戦略研究所は2024年3月7日、大学におけるリカレント教育の実施状況に関する調査報告書を取りまとめ公開した。リカレント教育は大学全体の26%が実施しており、プログラム内容は統計・経営・一般教養・AIなど多岐にわたることがわかった。

事例 その他
リカレント教育の受講目的
  • リカレント教育の受講目的
  • リカレント教育が大学にもたらした成果
  • リカレント教育の課題

 デジタル・ナレッジが運営するeラーニング戦略研究所は2024年3月7日、大学におけるリカレント教育の実施状況に関する調査報告書を取りまとめ公開した。リカレント教育は大学全体の26%が実施しており、プログラム内容は統計・経営・一般教養・AIなど多岐にわたることがわかった。

 リカレント教育の実施状況に関する調査は2023年9月26日~27日、全国の大学の教員・職員100名を対象に、大学におけるリカレント教育の実施状況や成果を調査するとともに、今後の課題とニーズを探る目的で実施した。

 リカレント教育の実施状況は、大学全体の26%。おもな受講者は「企業で働く社会人」「定年退職者」「求職者」などで、受講目的は「スキルアップ」から「学問的探求」「学位取得」「社会とのつながり」「転職・再就職・キャリアチェンジ」まで多様化していることがわかった。

 プログラム内容については、「データサイエンス・統計・情報・数理」「経営マネジメント」「教育・人材開発」「一般教養」「地域創生」「AI・IoT」など多岐にわたり、「社会的ニーズ」「実践的」「学ぶ楽しさ」を重視してプログラムが開発されていることが明らかとなった。

 リカレント教育を提供する大学のうち、オンライン配信しているのは53.8%。オンライン教育へのニーズが社会全体で高まる中、リカレント教育に関しては、まだまだ対面型も多く、働く人、遠方の人、育児や介護で時間的制約がある人など、誰もが学びやすい環境とはいえない状況であった。一方、オンライン配信を行っている大学では「教職員や学生が使いこなせない」「接続の安定性・音声品質」「セキュリティやプライバシー」などの課題を抱えていることがわかった。

 大学としての成果は「大学の知をより幅広い人に提供可能」69.2%、「社会で求められる人材・技術に貢献できた」57.7%など、学術機関として広い意味での社会貢献が、リカレント教育を提供する意義と認識されている。

 課題は「教職員やスタッフのリソース不足」41.2%、「カリキュラム開発・更新」23.5%、「受講生の募集・集客」20.6%などの意見が多かった。また、ほかの大学・組織と共同でリカレント教育を推進している大学はわずか3.8%にとどまり、ほとんどが各大学単体での取組みとなることから、その負担は大きいと考えられる。

 eラーニング戦略研究所は今後、より多くの大学が円滑にリカレント教育を実施するためには、国による財政支援や広報支援も必要になると分析している。調査報告書の全文は、デジタル・ナレッジのWebサイトから一括で無料ダウンロードできる。

《川端珠紀》

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