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部活動の地域移行、生徒の認知度3割弱…イマチャレ調査

 イマチャレ製作委員会は2024年2月21日、文部科学省にて記者会見を実施し、2023年度に全国の18自治体と連携をして実施した「部活動改革に関する全国アンケート」の結果と今後に向けた提言・メッセージを発表した。

教育行政 文部科学省
記者会見のようす
  • 記者会見のようす
  • 部活動の地域移行に関する子どもの認知度
  • 子供たちの部活動における主体性・現状
  • 子供たちの部活動における主体性・決めていない子供
  • 子供たちの部活動における主体性・これから
  • 現在の部活動等における活動実態
  • 子供たちの文化・スポーツ活動に対するニーズ
  • 子供たちの地域活動への意欲(部活動に所属している生徒)

 イマチャレ製作委員会は2024年2月21日、文部科学省にて記者会見を実施し、2023年度に全国の18自治体と連携をして実施した「部活動改革に関する全国アンケート」の結果と今後に向けた提言・メッセージを発表した。

 同アンケートは、2023年度からスタートした部活動改革を進めるうえで重要と考えられる「当事者である子供たちの声を丁寧に拾いあげていくこと」を目的に実施。石岡市(茨城県)や岩倉市(愛知県)など18自治体の中学生2万3,088人、教員1,261人、保護者7,589人を対象に、各自治体ごとに調査し、匿名化したデータを取得した。調査期間は2023年7~10月。

 部活動の地域移行に関する生徒の認知度(よく知っている・やや知っているの合計)は、改革が進んでいる静岡県掛川市では72.9%。一方、全国生徒の認知度は28.3%にとどまった。

 部活動の年間活動時間数は運動部が486時間/年、文化部が333時間/年。運動部では、学校以外の習い事の時間(258時間/年)をあわせると744時間/年にのぼり、年間の授業時間数(約845時間/年)に近い時間を、部活動や習い事に費やしていることが明らかとなった。

 部活動における主体性については、「全く自分たちで決めていない」生徒は22.3%。ただし、このうちの70%以上は、より主体的に取り組みたいと考えていることがわかった。

 文化・スポーツ活動に対するニーズは、競技志向「より勝利を目指したい生徒(27.0%)」と、エンジョイ志向「より気軽に楽しみたい生徒(30.5%)」で二極化。競技志向の生徒は、「専門的で丁寧な指導を受けられる(46.2%)」、エンジョイ志向の生徒は「健康状態を配慮しながら指導してもらえる(40.3%)」との回答がもっとも多く、部活動に求めることについても違いがみられた。

 「同じ地域で、別の学校の生徒とスポーツ・文化活動をしたいと思いますか」という設問では、現在部活動に所属している生徒も所属していない生徒も70%以上が「ぜひやってみたい・どちらかといえばやってみたい」と回答。地域での文化・スポーツ活動に対して意欲的だということがわかった。

 アンケートの結果を踏まえて、イマチャレ製作委員会は提言や各関係者へのメッセージを発表。「子供たちの尊重」「文化・スポーツ活動の変革」「多様な選択肢の創出」の3つを柱に、全国の自治体・学校・地域クラブと連携しながら、当事者である子供たちと共に、これからの時代における新たな文化・スポーツ環境の実現に向けて活動を続けるとしている。

 イマチャレは、これからの時代における学校スポーツの在り方を発信するため、2021年7月にエデュシップ・筑波大学アスレチックデパートメント・読売新聞東京本社の3者が一体となり立ち上げた「学校スポーツの課題解決に特化したプラットフォーム」。部活動の課題解決を中心に、無料ジャーナル(情報誌)の定期配布(年3回)や月1回のオンラインプログラムやコンベンションなど、部活動改革を実践するためのさまざまな事例や有識者のインタビューを通じて、全国の自治体・学校・地域クラブの部活動改革をサポートしている。

《川端珠紀》

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