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義務教育、重視するのは「基礎的な知識・技能」の定着

 文部科学省は2023年12月27日、「義務教育に関する意識に係る調査」の結果を公表した。義務教育修了時に子供たちが身に付けておくべき能力・態度は、教師、Webモニターのいずれも「基礎的・基本的な知識・技能」をあげる人が最多で、児童生徒が学校生活を通じて身に付けたいことでももっとも多かった。

教育行政 文部科学省
義務教育修了時に身に付けておくべき能力・態度、学校生活を通じて身に付けたいこと(教師、児童生徒、Webモニター)
  • 義務教育修了時に身に付けておくべき能力・態度、学校生活を通じて身に付けたいこと(教師、児童生徒、Webモニター)
  • 学校における子供たちの学習量、授業時間(教師、児童生徒、Webモニター)
  • 義務教育修了時に身に付けておくべき能力・態度(教師)
  • 義務教育修了時に身に付けておくべき能力・態度(Webモニター)
  • 学校生活を通じて身に付けたいこと(児童生徒)
  • 学校における子供たちの学習量、授業時間(教師)
  • 学校における子供たちの学習量、授業時間(Webモニター)
  • 学校における子供たちの学習量、授業時間(児童生徒)

 文部科学省は2023年12月27日、「義務教育に関する意識に係る調査」の結果を公表した。義務教育修了時に子供たちが身に付けておくべき能力・態度は、教師、Webモニターのいずれも「基礎的・基本的な知識・技能」をあげる人が最多で、児童生徒が学校生活を通じて身に付けたいことでももっとも多かった。

 「義務教育に関する意識に係る調査」は、義務教育における課題を把握し、中央教育審議会などの議論や今後の政策立案にあたって参考とすることが目的。2023年1月~2月、公立小中学校の教育関係者調査(教師向け調査、児童生徒向け調査)とWebモニター調査を実施した。

 対象者は、教師向け調査が全国の公立小学校60校と中学校58校を本務校とする教師2,978人。児童生徒向け調査は、調査対象の学校に在籍する児童生徒4万3,308人。Webモニター調査は、モニター会社が有するWebモニター9,000サンプル。

 子供たちが義務教育を修了する時点で身に付けておくべき能力や態度については、「基礎的・基本的な知識・技能」と考える教師がもっとも多く、小・中学校ともに7割以上を占めた。Webモニター調査でも7割以上が「基礎的・基本的な知識・技能」と回答。公立学校が特に果たすべき役割として、基礎的・基本的な知識・技能を定着させることを重視していることがわかった。

 児童生徒向け調査でも学校生活を通じて身に付けたいことは「基礎的・基本的な知識・技能」がもっとも多く、小学校高学年で65.3%、中学生で77.2%にのぼった。

 学校における子供たちの学習量や週あたりの授業時間については、約4~5割の教師が「ちょうどよい」とした一方、小学校で半数以上、中学校で4割以上の教師が「多すぎる」「やや多い」と回答。Webモニター調査と児童生徒向け調査では、約6割が「ちょうどよい」と回答した。

 新たな指導法を取り入れるなど、新たな取組みについては8割以上の教師が「積極的に取り組むべき」と考える一方、所属する学校や教育委員会が新たな取組みを後押しする雰囲気は半数以上が「十分ではない」と回答。新たな取組みを後押しする雰囲気があると感じる教師は、約1割にとどまった。

 Webモニター調査では、公立学校が失敗をおそれず、新しいことにチャレンジすることについて、6割以上が肯定的に考えていた。また、半数以上の回答者が「学校は多くの役割を抱え込みすぎている」と回答した。

《奥山直美》

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