文部科学省は2023年10月20日、盛山大臣によるメッセージ「子供たちを児童生徒性暴力等から守り抜くために~全国の学校関係者の皆様へ~」を公表した。身近な教職員などからの性被害から児童生徒を守るべく、改めて自治体や学校関係者に向けて対応を求めている。
2021年に「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律」が成立し、2022年以降、教育職員などによる児童生徒性暴力等の防止、早期発見・対応のための取組みが、国、自治体、学校などにおいて進められている。
しかしながら、残念なことに未だ教育職員などによる児童生徒性暴力等の事案が相次いでしまっている現状があるという。こうした事態に、盛山文科相は、「教育職員などが子供たちに対し、『魂の殺人』とも呼ばれる性暴力等を行うことは断じてあってはならず、言語道断です」とし、「性暴力等は子供たちの尊厳と権利を踏みにじるだけでなく、ごく一部の者の行いにより教育職員全体に対する社会からの信頼が毀損されかねず、このような事態が生じていることは誠に遺憾です」と強いメッセージを発出した。
さらにメッセージでは、学校設置者などに対し、改めて教職員などに対する研修や、相談体制の整備・周知などの速やかな実施を要求。加えて、児童生徒が被害に遭ってしまった際に声を上げられるよう、教育現場での「生命(いのち)の安全教育」に取り組むことも重ねて求めた。
万が一、教育職員などによる児童生徒性暴力等が行われる事態が生じた場合には、「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律」および同法に基づく基本的指針に基づき、原則として懲戒免職にするなどの厳正な処分を徹底するよう明記。文部科学省は、未来ある子供たちを守るため、引き続き全力で対策を進めていくとしている。