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教師を取り巻く環境整備…緊急提言踏まえた取組み徹底を通知

 文部科学省は2023年9月8日、「教師を取り巻く環境整備について緊急的に取り組むべき施策(提言)」を踏まえた取組の徹底等について、と題した通知を各自治体と教育委員会の長に向けて発出。教育委員会や学校などで改めて取組みが必要な方策などを整理している。

教育行政 文部科学省
学校・教師が担う業務に係る3分類(資料の一部)
  • 学校・教師が担う業務に係る3分類(資料の一部)
  • 新しい時代の学びの環境整備(義務教育費国庫負担金)資料の一部
  • 学校における働き方改革に係るおもな取組の進捗状況など(資料の一部)
  • 学校における働き方改革に係るおもな取組の進捗状況など(資料の一部)
  • 教師を取り巻く環境整備について緊急的に取り組むべき施策(提言)の概要

 文部科学省は2023年9月8日、「教師を取り巻く環境整備について緊急的に取り組むべき施策(提言)」を踏まえた取組の徹底等について、と題した通知を各自治体と教育委員会の長に向けて発出した。教育委員会や学校などにおいて改めて取組みが必要な方策などを整理している。

 「教師を取り巻く環境整備について緊急的に取り組むべき施策(提言)」(以下、緊急提言)は、8月28日に開催された、中央教育審議会初等中等教育分科会質の高い教師の確保特別部会にて取りまとめられたもの。文部科学省では、緊急提言を受け、文部科学大臣を本部長とした「学校における働き方改革推進本部(第7回)」を8月29日に開催し、文部科学大臣メッセージ「子供たちのための学校の働き方改革 できることを直ちに、一緒に」を公表するとともに、緊急提言などを踏まえた教師を取り巻く環境整備のために必要な経費を令和6年度(2024年度)概算要求に計上。国が先頭に立って取組みを推進するべく、早急に動き出している。

 今回は、こうした動きを踏まえ、地方自治体レベルでも緊急提言の取組みをさらに加速化するべく、都道府県、市町村、各学校などがそれぞれ自分事としてその権限と責任に基づき主体的に取り組むことができるよう、改めて取組みの徹底が必要な方策などを整理し、通知として発出した。

 通知の中では、「学校・教師が担う業務の適正化の一層の推進について」「学校における働き方改革の実効性の向上等」「持続可能な勤務環境整備等の支援の充実」と、大きく3つの事項について取りまとめている。

 1つ目の「学校・教師が担う業務の適正化の一層の推進について」では、「学校・教師が担う業務に係る3分類」を徹底するための取組みについて明記。14の学校業務について「基本的には学校以外が行うべき業務」「学校の業務だが必ずしも教師が担う必要のない業務」「教師の業務だが負担軽減が可能な業務」の3分類に分け、各主体の具体的な役割も含めて整理し、取組みの徹底を求めている。中でも、学校給食費の徴収・管理などの事務は、学校や教職員ではなく地方公共団体の事務とすることを基本とし、公会計化を進めることや、放課後から夜間などにおける見回り、児童生徒が補導された時の対応については、警察は児童生徒の補導時などの一義的な責任は保護者にあることを踏まえた対応を図り、各教育委員会や学校と連携した非行防止対策に取り組んでほしいとしている。

 「学校における働き方改革の実効性の向上等」では、教師の健康および福祉の確保の徹底を図るべく、在校等時間が上限時間の範囲を超えている場合は服務監督教育委員会による学校の業務の検証や見直し、必要な環境整備などの取組みの改善・徹底を図ること、勤務時間の途中に休憩時間を適切に確保すること、予防や早期発見・対応、休職期間中における復職に向けた支援、復職後のフォローアップといったメンタルヘルス対策を講じることなどをあげている。

 「持続可能な勤務環境整備等の支援の充実」では、教職員定数の改善や支援スタッフの配置充実、教師の処遇改善、教師のなり手の確保の面から改善を図るべく、令和6年度概算要求において、必要な経費を盛り込んでいることを報告。新しい時代の学びの環境整備として、前年度予算額より86億円増の1兆5,302億円を要求している。

 通知には、緊急提言や文部科学大臣メッセージのほか、3分類に基づく14の取組の実効性を確保するための各主体による「対応策の例」、令和6年度概算要求資料、学校における働き方改革に係るおもな取組の進捗状況などの資料も別添。今後の対応については、通知の事項に留意のうえ、学校や地域、教職員や児童生徒などの実情を踏まえた対応をとるよう要請している。

《畑山望》

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