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都立杉並高校、進路情報が漏えい…外部流出なし

 東京都教育委員会は2023年9月5日、都立杉並高等学校において、個人情報が漏えいしたことを発表した。進路アンケート調査の結果が生徒1人のスマートフォンアプリに通知され、生徒15人分の回答内容が一時、閲覧できる状態だったという。

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 東京都教育委員会は2023年9月5日、都立杉並高等学校において、個人情報が漏えいしたことを発表した。進路アンケート調査の結果が生徒1人のスマートフォンアプリに通知され、生徒15人分の回答内容が一時、閲覧できる状態だったという。

 杉並高等学校では、8月27日午後7時ごろ、主幹教諭が自己所有のノートパソコンにより、3年生で同一科目を選択している18人をメンバーとするMicrosoft Teams内で、Microsoft Formsを用いた進路アンケートを送信。15人が回答した。

 8月30日午後7時ごろ、生徒のうちの1人が自己所有のスマートフォンにクラウドサービスであるMicrosoft365から通知があることを認識。午後9時ごろに開封したところ、生徒15人分の進路アンケート調査が一覧になったExcelシートが表示された。同日午後9時40分ごろ、この生徒が担任教諭に相談し、個人情報漏えいの事実が発覚した。

 8月30日午後10時ごろ、担任教諭から連絡受けた主幹教諭は、情報拡散を防止するため、アンケート調査をMicrosoft Formsから削除。東京都教育委員会は9月1日、このExcelシートへのアクセスログを解析し、Teamsメンバーのうち当該生徒を除く17名は、Excelシートにアクセスしていないことを確認したという。

 閲覧された個人情報は、生徒15人分の進路アンケート調査の結果。氏名のほか、志望大学、各大学の受験方法、大学入学共通テストや大学個別テストでの受験予定科目が記載されていた。

 現在のところ、Excelシートの外部への流出など、二次被害などの報告は受けておらず、原因は調査中。アンケートに関わった18人の生徒・保護者に経緯を説明して謝罪したほか、全学年保護者に対しても通知文を出し、経緯の説明と謝罪を行った。

 東京都教育委員会は、今回の事故を受けて「今後、個人情報を厳正に管理するとともに、教職員に対して情報セキュリティの教育・指導を徹底していく。また、Teamsの適正な運用について、指導を徹底していく。全都立学校長に対しても、個人情報の取扱いなどについて再度周知徹底を図っていく」とコメントしている。

《奥山直美》

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