凸版印刷とNHKエデュケーショナルは2023年8月29日、教育用メタバース空間での協業に向け開発に着手したことを発表した。開発するメタバース空間は、教室空間やコミュニティ空間、教育コンテンツなどで、おもに教育現場への提供を予定している。
近年、メタバースへの注目度が高まっており、総務省は「令和4年版情報通信白書」で、2021年には4兆2640億円であったメタバースの世界市場は、2030年には78兆8,705億円にまで拡大すると試算。文部科学省では、メタバース上でのコミュニケーションはアバターによる匿名性や雑談のしやすさといった特長があることから、教育現場で活用する可能性について検討を始めている。
凸版印刷とNHKエデュケーショナルは、2023年1月より教育用メタバースの開発に向け、凸版印刷のメタバースプラットフォーム「メタパ」内に空間を構築。これまで行った、旭川情報ビジネス専門学校や、神奈川県「ひきこもり×メタバース」社会参加支援事業への空間提供などの実証結果を踏まえ、今回本格的な開発に着手した。
開発にあたり凸版印刷は、メタバースプラットフォーム「メタパ」の提供およびメタバース空間の構築を、NHKエデュケーショナルは教育コンテンツおよびノウハウの提供を行い、両社の役割を分担。今後、共同でメタバース空間での授業や教育コンテンツのあり方、アバターを介したコミュニケーションについて検証を進め、実際の教育現場へ提供するとしている。